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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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これからのこと。


「ふぃぃ、一仕事した後のお風呂は最高ですなぁ…。」



バスを降りた後に乗った路面電車の中は凄かった。私と同じでバスの揺れがお気に召さなかったのか、電車になった途端テンションが上がって走り始める子が続出。窓から街頭に照らされた景色を堪能してる子もいたが、揃って口から出るのは「さっきより早い!」だった。トゥコーテンさんは既に一回乗ってるから余裕そうに見せてたけど、チラチラ外を見ようとしてた辺りまだテンション高めだったようだ。

レイル君も他の子達と少し離れた所で外を見ていた。「こんな乗り物が存在するのか…。」なんて呆然としていたけど、存在するのはこの都市だけだ、ごめん。



そんな夜にも関わらずハイテンションな集団をとりあえず病院にまとめて詰め込み(その頃にはレイル君は何人かと仲良く話していた、凄い)、自宅に戻ってすぐにお風呂タイム。懐かしき温泉の素を入れ湯船に沈めば、前世に戻ってきた錯覚に陥る。



「明日説明するって言ったけど、何時に起きればいいかな?この後住民登録の為のアイテム作成しないとだからまた夜更かしになりそうなんだけどなぁ。」



城塞都市アルテナの説明書は先代のおふざけで終わっていたが、箱庭を起動してから書斎に入ったら別の説明書が増えていたのだ。都市を経営していく上で必要になりそうな物、役に立ちそうな物のリストと、それを使った結果等が記されていた。

住民登録に関してもそれに載っていて、前世でいう保険証的なものを作ったらしく、それを持ってる者を箱庭で管理してたらしい。そんな機能もあったのかあの箱庭と驚くのも何回目か分からない。



保険証とかって常に持ち歩くの面倒な気がする。寝る時もお風呂の時も邪魔にならないもの…。



「個人情報を組み込んだ細めのリストバンド?」



城門にかざして認証。公共交通機関はそれを見せれば乗り放題。外部からの訪問者は別に許可証を用意して。

やりようはいくらでもありそうな気がする。

思い立ったが吉日。溢れるお湯を気にせず湯船を飛び出して入浴を終える。髪を乾かし、キッチンでカフェオレ作ってから箱庭部屋へ。

最初この箱庭を見た時は、それまでの展開についていけてなかったせいか見落としていたけど、よく見てみると側面に引き出しがいくつかあるのだ。それぞれラベルが貼られていて、中にはメモ用紙が大量に収まっている。説明書によれば、この紙に作成したいアイテムの詳細を書けばそれに変化するらしい。このチートは先代のその前の前の人が作った遺品を組み込んだとか。



「正直一番欲しいのは彼らの食糧なんだけど食べ物は作成出来ないって書いてあったから、しばらくは大人組に当番制で外に買い出しに行ってもらうしかないかなぁ…。」



明日彼らに畑を与えてもすぐに作物が出来るわけじゃない。それも最初だけ箱庭でしてもいいかと思ったが、別に自分が困るわけではないので早々に廃案した。

買い出し用の費用はこちらで出さないととペンを走らせながら他にも必要な物を考えてみる。



「よしっ…って早いな…。」



書き終えた紙は瞬時に人数分の身分証になり、いくつかが手からこぼれ落ちた。それを籠にしまって箱庭に向き直る。



「うん。備蓄を少しだけ用意しておこう。あとは空に結界。」



備蓄は主に野菜とこの世界の主食の小麦粉。魚は海があるから釣りに行けるし。

空の結界は獣人対策だ。城壁と森があるから地上はある程度安心だけど、空から鳥類系の獣人で突撃されたらたまったもんじゃない。



「今日はこれでいいか。」



時計を見れば23時。前世学生の頃はレポートに追われて深夜1時まで起きていたりしたけど、今はまだ体が子供だからかそろそろ限界である。彼らはもう夢の中だろうか。



「おやすみなさい、良い夢を。」




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