過保護な人の多さよ。
ここ数か月更新が遅くて本当に申し訳ございません。やる気スイッチほしい。
「それで、何があったんですか?ルーシィさん達の魔法陣が誤発動してここに飛ばされたんですか?」
この状態ではまだ商品化は出来ませんね、とボソボソ言っている彼は流石商会長の息子というか何というか。まぁ完成すれば爆発的に売れそうだけども。
アルテナへの攻撃に関しては隠すこともないので包み隠さず話せば、向かい側の顔が険しくなる。
「ヤシュカの影は何をしているんだ…。一挙手一投足監視していたはずなのに。殿下が動いている話も聞かないし、あれ?殿下達無能説?」
「いや、それ不敬罪ですからね?まぁ起きてしまったことはもう仕方がないんでいいんです。それで、ここからが厄介な事情で…。」
続けて現在のアルテナの状況と私が此処にいる理由を話せば、険しかった顔から泣きそうな顔になってしまった。
「それはまた…。まず、得体の知れない呪いを解呪しようとしたことに僕は怒りますよ。ゾンデルさん達の件を忘れていませんよね?もし解呪に失敗していたら、サラ様がどうなっていたか…。」
「緊急事態だったし、そこは見逃してくれると嬉しいかな。殿下に救援要請する時間すら惜しかったから。」
「それでも、です。父に報告して、これからはヤシュカの対呪部隊を交代で派遣してもらようにします。」
対呪部隊とは?
聞けば、魔族の中には呪いに耐性のある方が一定数存在するらしく、その方達は軍の特殊部隊として動いているそうだ。一族への祝福で呪いが効かなかったり、元々呪いを受けて生まれてくる魔族もいるそうで。既に呪いがかかっていると、その上から新しい呪いをかけるのは難しいのか。だから敢えて自分の子供に軽い呪いをかける親もいるらしい。
なかなか勉強になるなぁ。
「そんなわけで、ヤシュカにも私の居場所が知られると面倒なんですよね。」
「先生とカイル様だけが知っているんですよね?お二人は相当心配していらっしゃるだろうし、報告しても?あと、どれくらい此処に滞在して戻ってくるつもりで?」
「まぁそれは構わないですけど。一応戦争が落ち着くまでは戻るつもりはないですよ。見つかるつもりはないですけど、魔術師があの国をフラフラしていたら駆り出されそうですし。」
裏で取引がされている戦争だから長引くことはないだろうけど。
終わり次第アルテナの森の端っこに作った家に戻って悠々自適に暮らす予定だ。自宅の鍵がかかっている部屋に繋がるように細工もしてあるから、レイル君が不在の間にキッチン漁って食糧も確保出来るし(どうしても魔法の冷蔵庫が作成できなかった)、ちょっと気分転換に森を散歩するくらいで、念願の引き籠りライフまでもう少し。
ずっと願っていたことだ、一人でも寂しくはない。
 




