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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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【???side】新城主、義姉の研究対象になる


「は!?メドニエに謎の魔術師襲来で城内の人間ほぼ全員重症!?」



影から緊急の報告に大きな声が出てしまう。横のデスクで仕事を始めようとしていたスヴェン殿も驚きでこちらに顔を向けていた。



「昨夜までは開戦に備えていたはずで、今日にもシュゼール入りするって言っていたのに!?」

「もしかして、先日先生が仰っていたいざこざって…。」

「っ、先生を呼んでください!彼女は絶対何か知ってるはずです!」








「んで、アタシを呼んだと?研究の邪魔するほどかしら?」

「昨日言っていたいざこざってこのことですよね?知っていること全て教えて下さい。」

「知ってるも何も、アタシの友人が一人でやったことよ。にしても、足を折るだけなんて…甘ちゃんねぇ…。」



向かいの先生は報告書片手にのんきに欠伸をし始めた。しまいには持参したお菓子まで食べ始めている。



「いいじゃない、メドニエの参戦が不可能になってアタシ達の負担は軽くなったんだし。ラッキーありがとうくらいの気持ちでいればいいのよ。なんなら折れた足治す名目でアタシがメドニエ入りしましょうか?」

「それはただ先生が新しい薬の実験したいだけでしょうが!先生の友人といえど、魔術師となればここで保護するのが「馬鹿なこと言わないでちょうだい。」…なんですか。」



僕含め黒髪の人間はこの大陸で生活するのにだいぶ苦労がある。だからここに来てもらって保護しようと思ったのに、全て言い終わる前に先生が却下してきた。

だんだんとピリピリしてくる空気に後ろでスヴェン殿が小さく悲鳴をあげる。



「あの子をここに縛り付けるなんて絶対駄目よ。そんなことするなら、アタシはヤシュカに行くわ。」

「でも!友人が酷い目にあってもいいんですか!?」

「もうこれ以上ないってくらい傷ついてるのよ。それに対して何もしてあげられなかったアタシ達が彼女に戻ってこいなんて言えない。」

「…?戻って…?」



まるで元々ここの住人だったみたいな言い方にその友人のことを掘り下げたかったが、先生の顔が泣きそうになっていて言葉を失う。いつも強気で、グダグダしてる彼女を叱咤しながら、でも楽しそうにしている先生が。

ん?彼女?



「………。」

「さっきまでの勢いはどうしたのよ。」

「…いや、ちょっと…。分かりました。とりあえず、今やるべきことをやります。」



どうにもモヤモヤした感じがあるが表現するのも難しくて表に出すのをやめる。

話は終わったと先生が立ち上がったので見送りの為に自分もその後ろを追いかけた。



「そういえば、今の研究って何してるんですか?」

「…アンタみたいのを治す研究よ。」



え、どういうこと?


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