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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
167/208

真っ暗、真っ黒、の先。


(扉は開く…。門番は?ゾンデルさんはどこ?)



いくら朝早いと言えど彼等のうちの誰かしらは必ず起きてるはずなのにそんな気配がいっさいない。静かすぎる通路に嫌な汗が流れてきそうだ。まずはゾンデルさんがいるであろう彼の執務室兼自室に向かう。勿論その間も誰ともすれ違わない。



(ノックしても反応なし…。でも、鍵はかかってないのね。)



厚めのドアをしっかり叩いても向こう側からの応答は無し。ドアノブを回せば簡単に開いたが。



「っ!!ゾンデルさん!!」



寝室へと繋がるドア手前で倒れてるゾンデルさんに急いで駆け寄る。腕をとって脈を確認するが異常はなく、呼吸もちゃんとしている。眠っているだけに見えるが、どんなに揺すっても起きない。

何をしても無駄と判断して寝室から毛布を持ってきて彼に掛けてあげる。そのまま部屋を出て城壁内全て確認したが、全員がゾンデルさんと同じような状態だった。



(空の黒いのが何かの魔法?でもこんな規模のなんて魔術師とか魔族くらいにしか…。…街は!?)



急いで乗り場に向かうも電車も完全にストップしている。先日使ったバスも起動しないし、転移も使えないから自分の足で進むしかない。トゥコーテンさん達に状況を伝えようにも飛ばしたはずの鴉も城壁手前に落ちていて壊れていた。倉庫の魔法陣は生きていたけど、もう一度帝国経由で伝えに行くなんて時間もない。



(王太子が何かした…?それか召集断ったから王家が動いた?)



線路に沿って森へ出て街を目指す。森に影響は無いのか変わった様子は見られない。自然に被害が無いなら畑は大丈夫だろうか。そうなるとやはり街が心配である。

予想通り耕作地帯も変わりは無かった。ただ工場にいた人達は城門の彼等と同じ状態だったけども。



(生き物に反応する魔法なのかな…?でもそれなら電車とかが使えないのも変だし。)



水を与えた形跡が何処にもないのを見ると街の人もゾンデルさんと同じなんだと容易に想像はつく。先を急がなければと足を再び動かすのだが、近づくにつれ自分の体も重くなっていく感じがして気持ち悪い。

やっと見えてきた建物にホッとするが、今までの比にならない暗さに後ずさりしたくなる。唯一の救いは、自宅のてっぺんが輝いているので其処だけは無事なんだと分かることか。



(もう少し…。まずは役所にむか…?)



瞼も重くなってきていよいよマズイかもと思って役所のある方角を見れば、



(何あの突き刺さってる…やつ…。)



一番真っ暗な所は恐らく役所のてっぺん。

そこに真っ黒な何かが突き刺さっているのを確認して意識が落ちる。


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