てへぺろで済ませられるレベルじゃない。
先月はほとんど更新出来なくて申し訳ありませんでした。今月はまだちょっと時間に余裕が無いのでちゃんとした更新再開は来年になってしまいますがよろしくお願いします。
頑張るぞ、と意気込んでみたものの。
「………。」
「…サラ?」
後ろからの困惑したトゥコーテンさんの声に少しだけ焦る。
新しい魔法を試そうにも何も思いつかない。恐らく魔力を乗せればどんな言葉でもそれに準じたものにはなると思うのだが。
動くな・黙れ・埋まれ・舞え、以外で今この場に相応しい魔法って何だ?
燃やす?いや、森が近いから下手したら燃え広がって大惨事になってしまうから却下。
雷落とす?それも火事の可能性あるよね?
土魔法?地震とか森だけじゃなくて後ろの帝国にも被害ありそうじゃない?
「っおい、今のうちに逃げた方が…。」
「いや、寧ろ今がチャンスなんじゃ…?」
私がまったく動かないから向かいの兵士さん達も困惑し始めてしまった。どうしよう、凄く恥ずかしい。待たせてすいません。
あの人達の動きを封じるか追い返せばいいんでしょ?でも動くなと埋まれは使えないから…。
氷で足元を固めるか、水で森の方に押し流すか?水魔法なら基本魔法だし、扱いやすいからいけるかな?
「『押し流せ』。」
「………?」
しーん。
魔力がしっかり乗った言葉を吐いてみたものの、水一滴すら出なくてなんとも気まずい沈黙が辺りを包んだ。え、失敗?ちょっとこの際誰か爆笑でもいいから何か反応してくれ。いや、後ろで二人が押し殺すように息を吐いたのが分かる。我慢しないで笑って欲しい。
「ハハッ、誰だよ黒髪はやべーとか言ってた奴。全然大したことねーじゃん。」
「いくぞお前ら!」
完全に私を下だと判断した彼等は武器を構えて走り出す。流石にマズいと思ったカイル様がすかさず後ろで詠唱を始めたが。
ドンッ!!
「…は?」
そう呟いたのは誰だったか。
凄まじい音がしたと思えば遠くの方で水柱が出現し、物凄い勢いでこちらへ向かってきていた。と思えば、すぐそばまで迫っていた兵士さん達を綺麗に流していった。
「…うわぁ!成功した!トゥコーテンさん、やりましたよ私!」
「そうね…。びしょびしょだけど。」
水の勢いは止まらず飛沫がこちらにかかってずぶ濡れ。少しずつ威力が衰え完全に落ち着いたところでカイル様が魔法で簡単に乾かしてくれたので、改めて周囲の様子を確認する。
「なんで遠くから飛んできたんですかね?」
「少し行った先に大きい川があるのよ。そこからじゃないかしら。それにしても…。」
「恐るべし魔術師。完全にやりすぎだな…。」
視線の先、横の森は壊滅的だった。水の勢いが強すぎて木々は倒れ、所々地面が抉れている。これ、あの人達生きてるのかな。
「…えへっ?」
「馬鹿者!少しは加減しなさい!」
再び拳骨もらいました。




