予想外に早かった。
更新止まってすいませんでした!もう少しバタバタが続くので定期的に投稿出来ませんが気長に待っていただけるとありがたいです!
「おぉ…、本当に着いた…!」
「地図通りに走れば着くっての。さぁ、行くわよ。」
検問少し手前でバスをしまって無事に辿り着けたことに感動していればトゥコーテンさんに呆れられてしまった。宿の人からもらった地図を鞄に戻し先頭を彼女に任せていざ検問へ。
やはりエルフ連れはチェックが緩くなるようで、荷物検査等もなくスムーズに出国。
「ちょっと緩すぎては?」
「まぁ今は外からの奴らはともかく中の奴には構ってられないんでしょ。さて、このまま道なりに進めば到着するからもう少し頑張りましょ。」
「全然人いませんね…。これならバ「駄目に決まってんでしょ。さっさと行くわよ。」…はーい。」
最低限整備されている道にはほとんど人がいなかったので提案しようとすればすぐに却下されてしまった。アルテナ帰ったら隠蔽みたいな魔法でも探して練習しようかな。
馬車も使えないようで残りは徒歩となるらしく、ただそこまで距離はないようなのでゆっくり進んでいく。ちょっとだけカイル様の口数が少なくなっている気がするのは緊張からだろう。トゥコーテンさんも表情が引き攣っている。
「…思ったより早かったな。」
「そうね。お兄様のことが大好きみたいよ?」
「?」
まだ歩き始めて10分くらいしか経っていないところで、不意にカイル様が呟いた。私一人だけ訳が分からない顔をすれば、後ろから微かに足音がするのが聞こえた気がした。振り返れば5人程の
「シュゼール兵?」
「アイツの部下だろ。」
こんなところに開戦待ったなしのシュゼール兵がいることに思わず口にすれば私を庇うように前に出たカイル様が答えてくれた。トゥコーテンさんは後ろで既に詠唱を始めていて、私だけついていけてない感。
「カイル殿下、お話を…。」
「もう俺は王子じゃないんでな。王太子殿下が庶民に用などないだろう?」
「しかし…。」
「…はぁ。何を頼まれた?」
腐っても元王太子、一瞬で変わった空気に元々タジタジだった兵士が今にも回れ右しそうになっている。そうこうしている間に真上から光が降り注いで、後ろの彼女が更に魔法を使う詠唱が始まっていた。
「…カイル殿下と今一度話し合いの場を設けたいと…。」
「それだけじゃないだろう?」
「…黒髪の異端の排除もと…。」
まぁカイル様を引き留めることはすると思っていたけど、私の排除もだなんて本当にあの王太子に嫌われているらしい。
「お兄さん達には申し訳ないけど…、手ぶらで帰ってもらわないとですね。」
「ちょ、おい…。」
「私だって魔術師ですよ?たまには暴れたっていいじゃないですか。」
後ろから飛び出して5人と向かい合った私を制止する声がするが、一応3人の中で一番強いの私だからね?いつも隣にレイル君がいるから影薄いかもしれないけどさ。
それにいい機会なので、簡略化出来る魔法がどのくらいあるのか試したいし。ちゃんとした攻撃って、家を出た直後に使った『舞え』の風魔法だけだし。
さぁ、やっちゃうぞー。




