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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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疑問に思ってたこと。


「サラ、本当にありがとう。」

「どーいたしまして。間に合って良かったです。」



電車とは違うバス独特の揺れに少し酔いそうになりつつトゥコーテンさんに返答する。路面電車と同じ自動運転システムで行き先をアルテナに設定しているので事故の心配はまったくないが、この揺れをもう少し軽減させる必要がありそうだ。主に私の為に。



移動を開始する前は興味津々な様子で車内をキョロキョロ見回していた子供達も、今は行儀良く座席に座ってくれている。時折「凄く速い…」って驚嘆の声が漏れていて可愛い。私に対しては警戒しているものの、嫌悪の色は見られなくて安心だ。



「この子達の住居はどうするの?」

「とりあえず一人立ち出来そうな子には一戸建てを準備しようかと。ちっちゃい子達は従業員さんと一緒に戸建てに住むか、病院でまとめて面倒みるか…。」



従業員3人対して子供は16人。うち3人程は私より年齢が上みたいだから、1人で生活してもいいだろうし皆と一緒でも構わない。

知らない土地に移住するのだし、まずは全員一緒かしら。

まぁ、それは帰ってからでもいいだろう。



「トゥコーテンさん、質問しても良いですか?」

「なぁに?」

「略式詠唱と詠唱無しの魔法が使えるのってそんなに凄いんですか?」



自分が魔法を使う度に驚かれていれば気になるというもの。トゥコーテンさんはそんな私を見て呆れている。



「略式詠唱だけでも凄いのに詠唱無しだなんて、私達エルフでもなかなか出来ないわよ。正直サラのはどちらにも当てはまらない気はするけど。」

「そうなんですか?」

「略式詠唱は本来の呪文の一部分を使う。詠唱無しはいわずもがな、呪文を口にせず発動させる。でもサラのを見ていると、そのどちらとも違ってるなと。」



曰く、『黙れ』・『動くな』等単語だけで発動させるという事例はエルフの里の大書庫にある本にも記されていないとか。特に気にもせず当たり前のように使えたから略式ってそういうものだと思っていたのだけど。

更に聞けば、相手の行動を制限するような魔法は存在しないとか。なるほど、私の存在がチートか。



まぁなんとなく理解は出来たし、ちょっとイタイ呪文を唱える恥ずかしさもないならこのままでいいだろう。

子供達に呼ばれたトゥコーテンさんを解放してあげて運転席へ戻る。

前方はライトのおかげでいくらか景色が確認出来るので、現在地を確認。情報を見るにあと20分くらいで帰宅出来るようだ。



帰ったらまずはお風呂に入りたいと思考を脱線させて、ぞわり。



「…?気持ち悪い気配?」



何とも言えない感覚に思わずバスを停止させてしまう。急に停まったことに驚いた子供達が一斉にこちらに目を向けてきたが、その中に違和感はない。



「どうしたの?」

「いや、ちょっと変な気配が…。外見てくるので、待っててもらえます?」



この中なら安全なんで、絶対外には出ないで欲しいと言えばトゥコーテンさんは神妙に頷いてくれた。

さて、次はどんな光景が広がるのか。


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