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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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【???side】森の奥で孫の近況を知る祖父

時間軸としては先生の結婚式の翌日あたりの話。


゛あぁ、孫がやっと結婚したか゛



パキンッと手にしていた杖が綺麗に折れたのを確認して、手元の呼び鈴を鳴らす。すぐに息子が入室して状況を確認すると、呪文と共に杖が元通りとなる。



「娘が結婚したようですね。」

「そうじゃね。なかなか強い魔力でぽっくり逝くかと思ったわい。」

「………杖だけでよかったです。」



儂の冗談ともつかない言葉に息子の眉間に皺が寄った。

儂らの種族は魔力感知が他種族より優れている。魔族は魔族のしか分からないが、儂らの場合は種族を問わない。無意識のうちにそれが発動してしまうデメリットもあるので、幼少の頃からコントロールの為の教育を受けるのだが。



「一度挨拶させますか?相手は人間のようですが。」

「うーむ、果たして来るかのう…?」



自分の孫(娘)が結婚したことが分かったのもこの魔力感知のおかげである。

まんべんなく感知は可能だが、一族となると少々異なってくる。感知というより共有と言った方がしっくりくる。今回の孫の結婚相手が他種族だということも分かっているのは婚姻時に行う儀式のおかげだ。

まさか人間でこの魔力量。おじいちゃんはビックリじゃよ。



「アルテナの魔術師とも会えてないしのぅ。旅行も兼ねて儂が行ってこようかのぅ…。」

「それこそ途中でぽっくり逝きそうなんでやめてください。………キルトに向かわせるので、それまでは生きていてくださいよ。」



キルトか。アルテナのことに誰よりも興味を持っていたのは奴だったか。しかし、



「キルトが拒否しても向かわせます。アイツがこの森で一番速いですし。これを機に長年の姉弟喧嘩を終わらせてもらいたいと。」



孫が出て行ったのはもう何年も前だ。いや何十年かもしれない。流石にお互い頭も冷えただろう。

神速の祝福持ちのキルトなら一日あればアルテナまで辿り着けるし、彼自身の好奇心も満たせ、かつ姉弟喧嘩も解決。一石三鳥。いや、儂の晩年の願いも叶うから一石四鳥。最高じゃ。



「それなら儂から話そう。長老命令なら逆らえまい。」

「職権乱用って言うんですよそれ。まぁいいです、今連れてきますのでよろしくお願いします。」



儂と似たようなことしようと思っていた息子には言われたくない。ちょっとムスッとしたらまた杖が割れた。本当に結婚相手の魔力量すごい。まさかアルテナにいる魔術師か?これはキルト上手くコントロール出来なくて倒れてるのでは?

案の定とんでもない結婚相手を選んだ姉に暴言を吐きながらも具合の悪そうなキルトがすぐに入室してくるんじゃが。

アルテナに行ってほしいとお願いしたらキャパオーバーしたらしく倒れた。


さて、いつ孫に会えるやら。


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