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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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どうぞよろしく。

閲覧・ブクマ・評価ありがとうございます。仕事が始まってからほとんど執筆が出来なくて焦っております。現在9/26投稿分までは予約完了しているので、それまでに余裕を持たせたい…。


かちゃん。

サイドテーブルにアイスコーヒーとティラミスを置いて着席。椅子は二つとも箱庭の方を向いているので顔を見なくていいのはありがたい。だからといってこの重苦しい空気に耐えられるかって聞かれると無理なんだけども。

沈黙が怖くて飲み食いを繰り返していれば持ってきた分はあっという間になくなってしまう。断りを入れてもう一度、今度はコーヒーのみを淹れて戻る。このままのペースだとお腹タプタプになってトイレに行く回数も増えそう。

再び着席をして隣の様子を伺ったらパチリを目が合う。彼の決心がついたらしい。



「怒ってる?」

「何に対して?」

「色々根回ししてたこととか…。」



一応気にしていたのか。意気揚々と父達を脅迫していそうだったんだけど。

まぁ怒ってるかと聞かれるとそうでもないというか、父に聞かれた時にも思ったけどちゃんと好意を口にしてくれない所にモヤモヤしているというか。好意があるのは見てれば分かることなんだけども、やっぱりはっきり言ってほしいじゃん?



「怒ってはいない。まぁ、自分の知らない所で色々勝手に進められているのはあんまり良い気はしないけど。」

「…ごめんなさい。」

「分かればよろしい。」



少しだけ余裕が出てきたので彼の方を向いて話を続ける。まだ気まずいようで目の前の顔は此方には向いてくれない。

折角なのでここぞとばかりに観察してみる。いやはやホントにイケメンですね。数年前は生意気なガキ感満載だったのに、流石というかなんというか。基本この世界の顔面偏差値は高めだけど、群を抜いているよね。前世今世通して面食いなのは変わらないし、黒髪サラサラが好きな私としては最優良物件である。



「そんなにガン見されると恥ずかしいんだけど…。」

「あぁ、ごめんごめん。」



耳が赤くなっているレイル君をからかうのも面白そうだが、仕返しが怖いのでやめておこう。体の向きを戻してコーヒーを啜っていれば声を掛けられる。



「分かってると思うけど、僕、サラのこと本当に好きなんだ。ちょっと色々暴走して先走ったけど…。僕と…婚約してくれませんか…?」



グリンッと首を勢いよく振り、ガッと言い切ったレイル君は首まで真っ赤だ。いやきっと今人の事言えないくらい自分の顔も赤い気はする。



「…私、長生きしたいんだけど。」

「?うん?」

「長生きしたいし、相手にも長生きしてほしいの。レイル君は死なないでいてくれる?」



私がヒロインを倒して完全にストーリーから脱却するまで何があるか分からない。自分は勿論死ぬつもりはないが、想い合った相手が途中で死なれるのはきっと想像しているよりしんどいから。

ちゃんと一緒に長生きしてくれなきゃ。



「それは、この秘密だらけの家と関係しているのかな?」

「うん、まぁ。」

「…サラが何を隠したいのかは分からないけど、僕は死なないよ。最後までサラといる。だからお願い、僕を選んでほしい。」



人生初めてされる告白がこんなに重いなんて前世の自分じゃ考えられなかっただろう。でも、悪い気はしない。



「分かった。信じるね。」

「っ!じゃぁっ…!」

「うん、これからよろしくね?」


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