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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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言われなくもそうするよ。


「は?開戦って戦争?いつもの小競り合い?」

「王太子が何かやらかして向こう怒らせたの?」

「自国の防衛?いや国じゃないし。これ、シュゼールに協力しないで引き籠ってろってこと?」



王太子がやらかした説が濃厚だけど、そんなに残念な王子だったっけ?フィオナ様も褒めるくらいにはしっかりした人だった気がするけど。



「クルングはどちらかというと脳筋が多いからね。まだ城に居た頃一度だけ国境でいざこざがあったけど、魔法を扱うのが苦手だったみたい。こちらの魔法攻撃の対処もうちと比べるとそうでもなかったとか。」

「あぁ確かに軍部がそんな話していたな。サラやレイルみたいな高火力の魔術師が参戦したら向こうはたまったもんじゃないだろう。だからアルテナを゛国゛として扱って先手を打ったんだろう。」



他国のことだから口を出すな的な?シュゼールもアルテナに良い印象を抱いていないみたいだし、協力要請なんて来ないと思うけど。

実際王都での行商が上手くいっていないって報告をちらほら確認しているし。何か良くない噂でも流しているのだろう。各領まで広まっていないのは幸いだが、それも時間の問題かもしれない。ルーヴさん達行商組の為にも対策が必要だ。



「まぁこれだけじゃ正直判断するのは難しいな。サラ、王太子妃にお会いする日は決まっているのか?」

「いいえ。しばらく王都に滞在するそうなので、後日連絡すると言っておきました。」

「そうか。彼女に会うのは私に任せてくれないか?」

「父さんが?」



普段なら胃をさすって話を聞いてるだけの父が引き受けてくれると?意外な所からの提案に他の皆もちょっと驚いている。フィオナ様なんか「引き籠りの金庫番が…」とか言っちゃってるし。



「お前は交渉術を完璧に身に着けていないだろう?万が一誰かの入れ知恵、もしくは脅迫で彼女が動いていた場合を考えてこの件は私、ではなくともそれなりの経験がある奴を向かわせろ。」



誰かのとは帝国の皇太子を指しているのかはたまた別の誰かか。確かに私にそんなスキルは備わっていないので別の誰かが言ってくれるならありがたいが。引き籠ってダラダラも出来るし。

そうは言ってもフィオナ様とカイル様は死んだことになっているし、父しか適任はいない気がするんだけど。



「…じゃぁ、お願いしてもいいですか?」

「あぁ。ちなみに、アルテナがシュゼールに協力するつもりは?」

「まったくないです。」



こんな面倒事言われなくとも参戦したくない。勝手にやっててくれって感じだ。

これ以上は現時点で何の進展も見込めないのでゾロゾロと皆が退室していく。父にもう一度お願いしてその背中を見送り、さて私もと立ちあがると服が引っ張られる感覚。



「少し話さない?」

「…いいよ。」



婚約者(仮)様に捕まった。


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