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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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その説は誠に申し訳ございませんでした。


「ミリアさんの定食屋、とても賑わってるわね。」

「レイル君は行ってきたんだよね?どうだった?」

「味がちょっと薄い気もするけど、なんていうか、ホッとする料理っていうか…。」

「アタシもこの前食べに行ったけど、魚の煮付?が最高だったにゃ!」



しばらく開かれることがなかった定期報告会の最初の話題はミリアさんのお店のことだった。先日行ってきたレイル君の言葉を皮切りにいつものメンバーが盛り上がる。ルーヴさんは行商から帰ってきてすぐに足を運んだらしい。まだ和食デビュー出来ていないトゥコーテンさんは興味津々で二人の話を聞いている。

ちなみに今日のおやつは大福だ。ここでのウケが良ければ商品化確定である。まぁ既に3つ目に手を伸ばしているルーヴさんを見る限り決定事項だが。



「正直これといって報告はないわね。あ、嘘。無事研修が終わって病院の治癒士が増えたわ。」

「それは良かったです。カイル様との時間がいっぱい作れますね。」



メドニエ訪問前からの研修が終わったらしい。例の吸収の魔法を使う人も無事に合格したとのこと。彼女にはとてもお世話になったのでお祝いに何か送るのもいいかもしれない。この後会いに行ってみようか。

赤くなっているトゥコーテンさんを横目にレイル君が口を開く。



「門の警備強化も順調だとゾンデルさんから報告が上がってきていたよ。観光客は今受け入れていないから審査の流れに関しては住民に協力してもらって確認している感じだって。」

「そちらも順調そうで良かった。」

「外に関しては特に変な動きはなかったにゃ。メドニエの件は伝わってにゃいみたい。まぁ国の恥をわざわざ晒すことはしにゃいだろうね。」



色々向こうでやらかしたから流石にヤバいかと思ったけど、メドニエは徹底的に隠してくれているようだ。

それよりも目立つのが、



「ジョエル殿下とリーナの婚約が正式に発表されたのね…。」

「突如舞い降りた聖女!まさに神からの遣い!…笑える見出しね。」



テーブルに置かれているのは、シュゼールで広く出回っている新聞だ。国の時事を伝える為に発行されているものだが、本日の一面はメドニエのジョエル殿下と姉のリーナが大きく写っている。ロシュロール殿下の報告通り、二人は婚約したらしい。内容をよく読めば名前は伏せられているものの、飛ばしたレイル君が私に置き換えられ叩かれている。これではやっと落ち着いてきた黒髪迫害が再び激しくなるかもしれないし、アルテナへの攻撃がされる可能性だって出てくる。考えることが山積みだ。



「城の鴉を増やして監視を強化するしかないね。少しでも何か動きがあったらすぐ対応出来るように。」

「確か王太子が帝国へ遊学予定じゃなかった?短期だけど城を空けるなんてって騒いでいる声を拾っていたけど。」

「それは流石にキャンセルになるんじゃ…っと、役所からだ。」



スマホが震えたので確認すると、監視室からの召集だった。あの場所は先日カイル様の管轄にして報告も彼から聞くことになったのだけど、上手く伝わってなかったのかな?

確認の為に一度この場にある箱から手紙を飛ばすとすぐに返ってきた。

どうやら伝達はしっかりとされているようだ。今回はカイル様では対応不可能な案件なので判断を仰ぎたいと。


゛シュトング辺境伯ご令嬢が正門でお待ちしております。゛



「ねぇレイル君。夜会の時に話しかけてたのってシュトングのご令嬢よね?」

「ん?そうだけど?ヤキモチ?」

「………。」

「…?サラ?」



土下座案件じゃないか!


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