早速住人ゲットのチャンス?
「エルフって初めて見たわ…。あ、初めまして。城塞都市アルテナへようこそ?」
「なんで疑問系なのよ?貴女、この森に住んでるの?」
「あ、はい。昨日から住んでます。どうですかねコレ?なかなか良く出来た街だと思いません?」
「聞くところそこなの!?」
エルフって儚いイメージあったけど、なかなかツッコミにキレがあるのね。ギャップ良いよ、ギャップ大事。
「夜も更けたから森でとりあえず一夜をって思ったのに、朝起きたら木はなくなってるわ、いきなり街は出来るわ…。」
「それに関しては申し訳です…。昨日楽しくなってつい作っちゃって…。」
「つい…で作れるものなの!?というか、貴女、魔女なのね。」
「まぁ、そんな感じです。」
エルフに関しては黒髪に驚くことはないようだ。他の種族も黒髪=魔女の認識であれば、わざわざ人間で探さなくても住人は集まるのだろうか。獣人いっぱいになったら、国の軍も追い返せるのでは?
そんな天寿全うルートへ妄想を滾らせていると、エルフさんはいつの間にか距離を縮めていた。
「私はトゥコーテン。見てわかる通りエルフよ。」
「私はサラです。一応魔女やってます。トゥコーテンさんは何故この森に?」
トゥコーテン…ちょっと心太を思い出してしまったのは内緒だ。
目の前の彼女?は先程までの余裕は何処へやら、急に険しい顔で俯いてしまう。
「本当はオズマン領主に頼むつもりだったけど、魔女がいるなら話は早いわ。お願い、子供達を助けて欲しいの。」
「子供達?」
「私、隣のドルベルド領の教会で治癒師をしているの。併設されている孤児院で子供達の面倒も見ているのだけど…。近々孤児院を取り壊すって領主に言われて。子供達の別の受け入れ先があるのか聞いたら、そんなものないって…。」
「ドルベルド領ってそこまで治安が良くないわよね?」
「えぇ、スラム街も存在してるわ。」
「んー…助ける…ねぇ…。」
幸いこの街なら住む所などいくらでもある。子供達の未来を考えると助けてあげたい気もするけど、「この街に住むか?」って聞いても黒髪の私を忌避して却下されそうだ。
「貴女の髪についてなら私が説得する。だから、お願い。」
「トゥコーテンさんは子供達を助けたらどーするの?」
「迷惑でなければ私もこちらで生活したい。あの領主にはもうついていけないわ。」
「んー…、じゃぁ、交換条件。この街の医療を任されてくれないかな?」
ここで治癒師に出会えたのはラッキーである。専門機関が早くに稼働するのは私としても後々ラクになる。
「そんなのお安いご用よ。寧ろ、こちらから願い出たいくらいだったわ。」
「オーケー。交渉成立。」
固い握手を交わし、特に作戦を考えるわけでもなく、そのまま城門に向けて路面電車に乗り込む。トゥコーテンさんが恐る恐る続いたのはちょっとだけ可愛かった。
さーて、サラちゃん頑張っちゃうよー。




