それはちょっと無理なお願いだね。
いつも閲覧、ブクマありがとうございます。ストックが無くなって焦って作っているので、誤字脱字あったらごめんなさい。
寝れない。
レイル君が来る少し前まで爆睡していた私は、現在眠ることが出来ずにレイル君に手を握られている。彼は私の意識がないと思っているから気にならないだろうけど、私は物凄く恥ずかしい。
無言でその状態だから、もしかしたら彼は寝ているかもしれない。それなら、うん、まぁ、いいかな。
「サラ…。」
おっと起きていた。片手ではなく両手で包むように握られた手を全力で振り解きたい程恥ずかしいな。
「今先生達がキミの呪いを浄化、吸収して何とかなっているんだ。ちゃんとした解呪が出来るのはアシュモード陛下達が戻ってきてからになると思う。」
それからレイル君は私がメドニエで倒れてから今までの事をポツリポツリと話し始めた。
ミリア殿下は手紙の通り現在メロの家で軟禁中だそうだ。彼女はまったく関係ないから自由に動き回ってもらっても構わないけど、事情を知らない人達からしたらハンナさんの雇い主だもんね。疑うなって方が難しいよね。
母やリーナに関してはフィオナ様の提案が通ったようで、変声魔法が使える住民とレイル君が無事…ではないけど追い出してくれたようで。
変身と変装って同じじゃないの?と思っていたらそれの説明も丁寧にしてくれた。
変装はあくまで外見を変えるだけで声は変えられない。しかも他人にかける場合は術者が近くにいないと機能しない。
変身は外見だけでなく声も変えられる。今回は住民に居なかったので、声だけを変える変声魔法を持つ人にレイル君が変装を使って付き添ったと。
その人居なかったらどうなっていたのか。多分レイル君が一人で向かって何も言わずにメドニエに飛ばしただろう。結果は変わらなそうだけど。
「ごめん。僕が、やっとアルテナに帰れるって浮かれていなければ…。本当に…ごめん。」
悲愴な声に申し訳なくなる。ハンナさんの独断で行われたことで、向こうの王家だって把握していなかったわけだし。責められるべきは彼女一人であって、彼にはそんな必要などないのだ。
「試験的に薬剤を試していた僕が一番彼女の所を訪れていたのに。ごめん、ごめん…。」
いや、ホントやめてほしい。何も返してあげられない自分が不甲斐なく思えてくるからね。
この手で握り返して、大丈夫だよって言ってあげたい。
「これは全部僕の責任だ。解呪に成功してメドニエとのことが全て解決したら僕が責任とるから…。サラも、隠してること全て教えてね…?」
責任とるって何するのよ。私の隠し事?あの家の中を見せろってこと?
それは流石に…。




