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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
112/208

【???side】偽物城主は恐怖する②

もうしばらく別視点が続きますがご了承ください。


レイル様の後に続いて向かった先の、久しぶりに見る城外は一面砂埃だった。フードを持ち上げて様子を見るわけにもいかず状況が把握出来ない僕の隣で、レイル様が舌打ちをする。



「派手に壊しやがって。建物の修復はサラしか出来ないのにふざけるなよ。」

「ひぃっ!こ、れは、魔力暴走にしては規模が大きすぎやしませんか…?」



学校に通うようになって色んな知識を得たけども、通常の魔力暴走は窓ガラスが割れるくらいの規模だって先生が言っていた気がする。

なのにコレは何なんだ。城壁一部瓦礫になってるんですけど。



「魔力暴走を起こしてるのは娘の方か。視界が晴れて姿が見えたらすぐにさっきの言葉を叫んで欲しい。」



レイル様の顔が向いた先には衝撃で気を失ったらしい夫人の姿。パッと見外傷は無さそうなので放置するようだ。すでに砂埃の先を見据えて拘束の為の詠唱を始めている。

サラ様の姉か妹か知らないが、きっと同じような黒髪の凄い人なのかもしれない。



「っ!う、動くなっ!」



うっすらと見えた影に自分が今出せる最大で声を張り上げる。そのすぐ後に放たれた拘束魔法はどうやらしっかり相手に当たったらしい。

膝から崩れ落ちた影がだんだんとハッキリとした姿になってきて驚く。



「黒髪じゃない…?」

「そうそういないからね。…にしても、面倒くさい祝福持ちだな。」



サラ様とはまったく別のピンクブラウンの少女は淑女らしからぬ形相でこちらを睨みつけており、悲鳴をあげたくなった。それを何とか飲み込んでレイル様に質問を投げ掛ける。



「面倒くさい…ですか?」

「実際に見た事ないから確定ではないけど、あの取り巻いてる光、聖魔法だろうね。あんなに醜いのに持てるんだね。」

「黙りなさい!異端の分際で!」



確かになんかピカピカしたのが舞ってると思ったけど、アレ、聖魔法の効果なの?え?歴史を見ても祝福の中でレア度高めの魔法じゃなかったっけ?

なんて情報処理が追い付けない僕と先程から舌打ちばかりなレイル様に向かって少女が怒鳴ってくる。

いや、怖いです。めっちゃ殺気立ってるじゃん。帰りたい。



「あ、貴女達を、迎えいれることは出来ません。お帰りください。」

「何ふざけた事ぬかしてんの!アンタがちゃんとストーリー通りに動かないから滅茶苦茶なのよ!アンタは悪役なんだからちゃんとお城でやりたい放題してくれなきゃ進まないじゃない!」



刺激しないように言えば、よく分からない言葉が返ってきた。

ストーリー?悪役?え?御伽噺の読みすぎ?



「折角サラが穏便に済ませようとしてくれてるのに随分と自分達の立場が分かってないようだね?しかも何?意味分からないこと言っちゃって。妄想と現実の区別がついていないのかな?」



穏便というか、サラ様の口調が分からないからとりあえず丁寧に言っただけであって…。

ちょ、ちょっとレイル様。

その右手の暗黒物質は何ですか…!?


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