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【完結】魔女の箱庭  作者: うかびぃ
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街と迷子。


安息の地を手に入れたからか昨日よりも更にぐっすり寝てしまい、起きたのは12時を回ろうとする頃だった。

昨夜散々好き勝手いじった箱庭の様子を確認して、実際の森も変わったのか屋上へ出て上から見下ろせば、



「先代の箱庭まじチート…。」



整備された街は鬱蒼としていた森だったとは思えない程綺麗になった。

森の拡張についてはあの箱庭で変更出来ることも説明書に書いてあり、ますますチートとしか思えない。

だがこれで基盤は完成した。



「あとは住人か…。」



果たして黒髪の自分の元に集まってくれる人などいるのだろうか。他の種族がどういう対応をしてくるのかも分からないので、そちらも期待しない方がいいのだろうか。



「気分転換に散歩でもしよ…。」








部屋のクローゼットから引っ張り出したシンプルなワンピースに着替えて誰もいない街を歩く。自動運転にした路面電車が動く音だけが響いていて逆に怖い。思ったより道幅が狭い気がするから、マイクロバスでも後で作ろうかしら。移動が不便だと流通も滞ってしまうかもしれないし。

公共施設も概ね満足いく仕上がりだ。ただ専門機関が多いから前世大学生な私の知識では至らない所があるかもしれない。やはりその道の人を早く探さねば。



そこから時間の許す限り街の出来映えを確認していく。

畑や城壁に関しては明日路面電車で様子を見に行こう。城壁にはいずれ見張りを置くのが良いかもしれない。



懐中時計が16時を指す頃。

裏通りの確認をしていると小さな違和感を発見する。

魔素の濃度がこの辺りだけ低い気がする。それに私しかいない街なのに、目の前の壁にはところどころ泥が付着している。誰かがここにもたれ掛かっていたみたいだ。



「え、もう侵入者?」



これは最優先で警備隊を作らねばと思考を脱線させようとして、視界の端で動く気配を察知。



『動くな』



日記には各魔女の得意とする魔法も記されていた。各々それを最大限に活かして後代に遺品を残していたようだ。

そんな今代の私だが、どうやら略式詠唱や詠唱せずに魔法を扱うスピードが早いくらいで特に抜きん出た才能はないらしい。ちょっと残念である。

気配に向けて一言告げればピタッと止まる。うん、長ったらしい呪文唱えるより遥かにラクだ。



「呪文の詠唱も無く一言で発動なんて…。」

「よっぽどこれって珍しいの?というか、貴方…。」



中性的な容姿に性別の判断が難しいが、整った顔にどうしても目がいく。サイドにある尖った耳にも。



「えるふ?」



まじょ は えるふ と そうぐう した !








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