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#96 壁を壊した怪巨人と対峙した件

 ギゴォッンッ!早速、奴はその手の巨剣を振り下ろす。

「散れぇっ!」

と言って俺は右斜め後ろへ逃げる。同じく、4人もそれぞれ四方へ散った。

 ブンッ!ブンッ!ブンッ!と今度は斬撃の三段構え。目標になったのは俺。どうして俺はここまで不幸なのだろうか...。そう思いながら、

「おっ、おっ、おっと...。」

と後退りしてその斬撃を全てかわし、

「『マルチファィア』っ!」

と炎の散弾。

「グボアァァァッッッ!」

受ける巨人は大きく怯む。

 そこへ、今度はアリシアの攻撃。

「『マルチエクスプローシブサンダー』っ!」

と爆裂する雷の散弾。ドゴドゴドゴォォォッッッン!その連なる轟音とともに奴はさらに大きく怯み、そのまま後ろの建物に激突する。が、奴へのダメージがいまだ顕著じゃない。と、そこへ斬撃。その瞬間、ルナが飛び出し

「『ディスポーズ』っっっ!」

とチート級(前に雅が見せたあの回復魔術の方が上だが)の固有スキルの名は叫ぶ。その手が剣に触れれば後ろへ吹っ飛ばされて壁に突き刺さるし、

「いつっ!」

と言ったルナの両手に出来たのは浅い切り傷。あんなものを食らえばそれどころでは済まないのが普通なのだが、この空間ではその普通が通用しないらしい。51話ぐらいで見たことのある文面がここに甦る。

 そこで、奴が体勢を立て直し今度は雅へ。ギィィィッッッン!斬撃は彼女は防ぐのだが、押され気味。

「くっ...。」

歯を食い縛り何とか堪えている。俺は

「『マルチロック』っ!」

と岩を一斉掃射。

「グボボォォォッ!」

それを食らい奴が怯んだところへ彼女の斬撃。

「やぁぁぁっっっ!」

と言う怒号とともに繰り出されるのは斬り上げ。すると、巨剣を持った右手首が切断され地に落ちる。

 「皆さんっ!どうにかして低い位置へこの方の首を持ってきてくださいまし。タイタンの方々は首を斬らなければ倒したことになりませんわっ!」

さらに雅は言う。俺は応えて

「分かった!俺に任せろっ!」

と一言。

 と、今度は俺に奴の拳が襲いかかる。俺は

「『テレポート』っ!」

と唱えて奴の足元へ。そこから、剣を右のアキレス腱辺りに食わせて

「『ソードビーム』っ!」

と唱える。すると、魔力の斬撃がその足を吹き飛ばす。

 すると、狙ったままに奴は右へ傾いたまま地面に倒れ、しかも右手首が無いせいで切断面が押し潰され、ドシィッッッン!とそのまま地面に伏せる。

「雅っ!これでどうだ?」

俺が聞くと、雅は

「お見事ですわ、悠人くん。はぁぁぁっっっ!」

と返した後でその首を切り落とした。やった、討伐数1!


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 さて、場所は変わってアルマの街のおおよそ中央の建物の上。そこを2人の女子と1人の男子が駆けていた。その両腰にはそれぞれ鞘に納めた剣があり、3人とも双剣使いであることが見て取れる。

 「姉さん、奥義・心眼にて指示を。」

セレスティナ・フォン・アーバスノットと言う貴族の娘はエリザベス・フォン・アーバスノットと言う同じく貴族の娘に言う。ちなみに前者が17歳の次女、後者が21歳の長女にして最年長である。そんなエリザベスは

「双剣奥義・心。弍ノけん『心眼』っ!」

と言って駆けるのを止めて双剣を抜き、その切っ先を屋根に叩きつける。キィィィィィッッッッッン!と金属音が響くとともに彼女は目を瞑り、一定範囲全てに意識を飛ばして状況を把握する。これが「弍ノ剣『心眼』」。加えて、「双剣奥義・心」とは精神に重きを置いた双剣の奥義である。

 そして、エリザベスは叫んだ。

「南方、西方それぞれにタイタンに襲われる隊を確認っ!」

それを聞いてセレスティナは

「了解よ。私は南へ向かうわ。姉さんと兄さんは2人で西へ向かって。」

と言い残し、真っ先に飛び出す。次いで、エリザベスと兄さんと呼ばれた19歳の長男エーベル・フォン・アーバスノットも飛び出す。


 またまた、場所は変わって南方の隊がいる場所。隊士は次々と握り潰され、踏みつけられ、噛み砕かれ、引き千切られで死んでいく。

「ギャァァァッッッ!」

「いやぁぁぁっっっ!」

「キャァァァッッッ!」

と言う悲鳴を残して。

 「グボォォォッッッ!」

「う、うわぁぁぁっっっ!」

お陰様で隊は壊滅状態、タイタンは最後の1人に襲いかかった。彼は叫びつつ逃げるが奴に蹴飛ばされて足の骨を折り、その場に倒れ込む。

 「く、来るなぁっ!」

そこへ容赦なく奴は手を伸ばすので男は剣を降り回りしてその手を払わんとする。さすれば、ザグッ!との手応え。どうやら奴の指に深く傷を負わせたらしい。

「グボォッ?」

巨人はしばらく小首を傾げるのだが、終われば彼から剣を取り上げ口で挟んで砕く。

「ひっ...!」

と彼は声にならぬ悲鳴を上げて迫り来る巨人の手に恐怖する。

 と、そこへ。

 「双剣奥義・技。」

と、セレスティナは剣技に重きを置いた双剣の奥義の名を口にして屋根から飛び上がり、続いて

「参ノ剣『鉤爪』っ!」

と双剣を同方向から回転を孕んで斬るその技で隊士を襲っている方の第二関節を削ぎ落とす。

「グボォォォッッッ!」

これで、奴のヘイトは彼女に。ドゴォッン!奴は地面にもう片方の拳を繰り出すがかわされ、しかもスライディングで足元に入られる。セルスティナはその最中で

「壱ノ剣『十文字じゅうもんじ』。」

と外から内へ双剣を交差させる技で奴の足を半分削いで、地に頭を叩きつける。これが基礎の技、全ての双剣奥義に「壱ノ剣」として存在する。

 セレスティナはそこでブレーキを掛けて立ち上がり、奴の足を蹴って飛び上がる。首に落ちていき、最後は剣をクロスさせ、

「弍ノ剣『逆十文字』っ!」

と内あら外へ双剣を交差させる技でその首を切り落とし、そのまま空中一回転をしてから綺麗に着地。

 「あ、ありがとうございます。これで死んでいった隊士を思い出すことが...。」

その後、生き残った隊士が言えばセレスティナは

「別にアンタを助けたくてやった訳じゃないわ。任務としてやっただけよ。礼を言われる筋合いはないわ。」

なんて、感謝される嬉しさを隠して言う。いわゆる、ツンデレと言う奴だ。

 そんなツンデレセルスティナは一瞬でその場から飛び出した。


 その後も、セレスティナは巨人を倒す。

 「『インフィニティー・ウォールラン』っ!」

「参ノ剣『鉤爪』っ!」

彼女の固有スキルである無限の壁走りからの参で斬首。

「『インフィニティー・ウォールラン』っ!」

移って走れば、棍棒タイタンの攻撃。彼女は一先ず壁から下りて、突進ともにて

ノ剣『刃車』っっっ!」

と双剣を左右に広げて高速回転する技。ザグザグザクンッ!とそのタイタンの足が吹き飛び、その回転をのこしたまま後ろへ飛び、同じ技で首を跳ねる。続く、拳巨人の殴りは後ろ飛びでかわして腕から上がって「鉤爪」で倒し、突っ込んで来た斧持ちを空中からの「鉤爪」で倒す。


 と、そんなこんなで、セレスティナはタイタンを倒しては倒し、倒しては倒しを繰り返し壁が壊された方角へ。

 と、そこで彼女は出会う。兜被りであり緑肌であり単眼であり壁壊しでもある怪巨人。その手には巨大な棍棒があり、口からは蒸気のようなものが吹き出ていた。

 「ゴガァァァッッッ!」

奴は棍棒を振り下ろす。 セレスティナは一度下がって棍棒に乗る。

「ガァァァッッッ!」

と今度は棍棒の振り上げ。彼女はその勢い借りて高く飛び上がり落ちるとともに「逆十文字」でその首を切り裂かんとする。だか、そうは行かず奴は片方で殴りかかってきた。

 対する、セレスティナは

ノ剣『刃車』っっっ!」

と高速回転切りを繰り出しまず殴りかかる腕を、次いでに棍棒を持った腕も落としてまた高く飛び上がり、

「弍ノ剣『逆十文字』。」

と今度こそ決めて首を跳ねる。

 「中々手強かったわね。」

着地してセレスティナは言い、両切っ先を瞬時に内側にしてから剣を鞘に納める。その刹那に

「グゴァァァッッッ!」

との声。

「ま、まさか...。」

と言い振り替えるがその頃にはもう遅い。

 見えたのは神経で繋がった目だけが首から垂れ、棍棒を持つ片腕だけが元通りの巨人の姿。しかも、棍棒は彼女の目の前だ。当然かわせる暇もない。

 「ああぁぁあっ!あぐふっ!」

セレスティナは真面に打撃を食らい壁に叩きつけられる。無論、体のあちらこちらから血は滴る。辛うじて、意識はあったものの痛みで体を上手く動かせない。

「グゴォォォ...。」

そんな彼女に巨人は容赦なくその手を伸ばして強く握る。

 「うぅ...うぐぅ。離、してっ!」

セレスティナは言うが、抵抗出来るほどの力は残っているはずなどない。怪巨人は口を大きく開き彼女を握る手を近付ける。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 その様を俺たちは20mほど先から目にする。その頃には既にタイタンを10体近く倒していた。

 「うおらぁぁぁっっっ!」

刹那、俺は全速力で飛び出す。足の回転を速く、それでいて歩幅は広く。中学も高校も陸上部に入っていたために50mのタイム7秒を切る程の走りである。ならば、理論上この20mは3秒あれば確実に走り切れる。

 「『マジッククリエイション』、マルチシールド!」

とは言え、俺は残り5mという所で3枚の盾を生む。それを足場に俺は高くまで飛び上がり、右拳を強く握る。

「『ハードスマッシュ』っっっ!」

と強くぶん殴る。

 ドガガガァァァッッッン!すると、怪巨人は吹っ飛ばされる。

「グガァァァッッッ!」

と言う声とともにその手の力が弱まったので雅が救い出す。奴が起き上がるとまず俺に襲いかかる。

「『マルチロック』っ!」

かわす暇が無いと察した俺はまず大岩で拳を防いで後ろへ下がる。

 「グゴオァァァッッッ」

と、今度は奴の大きな咆哮。着地した俺は剣を抜き、雅も安全な所へあの人を運んでから剣を抜く。加えて、アリシアは杖を構え、ルチアはメイスを構える。

 こうして、単眼の怪巨人との戦端の幕は切って落とされる。

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