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94/202

#94 旅路で特別指定モンスターと出会した件

 その日、シルヴィアの襲撃から1ヶ月ほどが既に経っていた。そうした間に俺たちは復興クエストをたくさん受け、他の冒険者たちも復興クエストをたくさん受ける。

 そのお陰でこの1ヶ月の間に町の復興はほぼ完全に終わっていた。最近では復興クエストも僅かになり、代わりに討伐クエストが激増している。

「わたくし達が町の復興をしている間に魔物が増え過ぎたようですわね。」

「そうだな、それにクエストを受ける冒険者もほとんどいなかったから倒されないままだ。早い目に倒しとかないと被害が出るぞ。」

雅が言い、俺も言う。

 さて、久方ぶりに俺のステータスの公開をしよう。ただし、文字数が半端なくなりそうなのでスキルは除く。スキルポイントだけ言っておくと、残り5Pだ。


新嶋悠人-Lv.31(残り115経験値)

RANK《B》


《ステータス》

体力/1105

生命力/1105

魔力/985

筋力/970

知力/1230

素早さ/890

器用さ/1150

幸運/1

状態異常/なし


 ミノタウロス、ベリアル、ゲオルギウスの3体の魔王軍幹部を倒したためにあれからレベルは20ぐらい上がってるし、ランクも2つ上げている。

 ランクがBと言うことは俺でも桃色スタンプのクエストを受けられることになる。雅はAランクになったので彼女が申告すれば紫も受けられるのだが。

 とは言ったもののプロスペレの周りは魔王城から一番遠く強い魔物も少ないから桃色スタンプのクエスト、と言うのもあまり見かけない。これだけ依頼書があっても桃色スタンプは7枚しかない。しかも、そのどれもが遠征クエストだ。

 「1回桃色のクエストを受けたいな、とは思ったけど遠征クエストしかねぇな。」

俺はその有様に思わず口を開く。

「そうですわね。ですが、桃印のクエストを受けるには致し方がないことでは?」

そんな俺に雅は返す。

「まぁ、それもそうだな。」

俺はそう言い掲示板から依頼書1枚を剥がす。

 「タイタンを30体討伐せよ」。場所はここから北へ50kmほど先にあるアルマ。こちら側の中央国家であるモナルキーア王国の貴族が治める鍛冶の町。おまけに精鋭の剣士も揃った町でもあるらしい。かのリチャード・マクドウェルもここが出身と言う話だ。報酬の方を言うと3万コルド。タイタンが強敵ということもあり、高く設定されているようだ。


 「しっかし、何でそこへの馬車に乗るためにまでセコンドまで歩かねばならんのかね?」

北門を出て道なりを進みながら、俺は皆に疑問を投げ掛ける。

「そんなこと、私たちに言われても困るわよ。仕方ないじゃない、天才の私でも全部の町へ行ったことなんてないんだから。」

天才擬きだ、やり直して来い。

「私は別に良いけどねぇ。」

うわ、その胸の大きさじゃ一番歩くのキツそう...。

「私も大丈夫です。年下の人たちと旅できるだけで幸せです。」

何だろう、ルチアが言うと下心がある気がして素直に喜べない。

 とまあそんやり取りをしていると目の前の道をミドルウルフの群れが横切った。慌ててるようすから見ると、彼らにとって何か圧倒的な存在から逃げているのだろう。

「ミドルウルフが逃げるなんてどういうことかしら。奴等はここらへんの生態系だと上位にいるはずよ。」

アリシアは言う。そう、ミドルウルフはここらへんの生態系の上位、恐らく人間に次ぐほどであろう。

 と、その時。

 「グゥアォォォッッッ!」

虎かあるいは獅子のような鳴き声が聞こえた。

「この声はっ...。」

雅はその声に何やら覚えがあるようで、手を横に広げ、制してくる。

「ん、とんでもない奴でも出てくんのか?」

そんな彼女に俺が聞くと、

「えぇ、とても危険な方が。」

と返される。

 その声の主は一瞬で現れた。茂みを飛び出しソイツは1体の狼にのし掛かり、そのまま回転を孕みつつその息の音を止める。さらに、口から雷を放ち、遠くの何体かも倒してしまった。金と黒が織り成す虎のような模様。それとめっちゃ長い2本の上顎犬歯と少し長い2本の下顎犬歯。その4本すべてが雷を帯びている。

 「何ですか、あの虎は?」

ルチアが聞くと、雅は即答える。

「あれはランストタイガー。雷槍獣という二つ名を持つ中央国家・モナルキーアの特別指定モンスター、その中でも3番目に強いクラス3の一角ですわ。」

 特別指定モンスター!?なんで、そんなのがプロスペレの周りに来てんだよっ!そんでもって3番目の強さ!それって結構なことじゃねぇか!て言うか、二つ名が雷槍獣って!モン◯ンですか、これは!?付け方がそれのあれと同じなんですけども!恐れるあまり俺は心が叫びたがってる状況。実際心は叫んでいるのだが。

 「見つかったのであれば致し方がありませんが、見つかっていないのであればわざわざ戦う必要はありませんの。わたくしも皆さんを守りながらあの方と戦える自信はございませんわ。」

その中、雅は言う。俺は

「そうだな。茂みに隠れてここを抜けるぞ。」

と言って皆を茂みの中へやる。

 続いて、スパッ!スパッ!スパッ!っと雅とともに草を薙ぎまくり、虎から離れた所で再び道に戻る。その頃にはもう虎は反対側の茂みへ消えていたのだが。


 と、こうして俺たちは何とか潜り抜ける。怪我人はなし。先の雷槍獣が再び現れることも無かった。

 とは言え、プロスペレからセコンドへの道のりは約25km。1日かけてやっと辿り着くぐらいの距離。まだまだ旅路は長い。

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