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#93 魔剣の真相に迫った件

 まだまだ復興中のその日。俺たちはあることを調べるべくパーティー揃ってギルド裏にある図書館を訪れていた。グリモワのはもっともっと大きいらしいが、ここのもかなりの規模。少なくともあっちの世界でよく行った中央図書館(それも中々大きい)よりは広いし、天井も高い。

 「図書館へ来るのは10年ぶりですわ。」

雅が天井を見上げながら驚愕の事実をしれっと言う。

「10年振り!?ってことは何歳で転生したんだ?」

図書館の中だと言うのに少し大きな声を出してしまった。視線が集まる中、俺は

「すみません。」

と言って会釈しつつ、続く雅の言葉を聞く。

 「3歳の頃ですわ。川で溺れてしまって...。」

3歳で転生、と言うことはこの世界に13年は居ることになる。で、前に図書館へ行ったのが6歳の頃、と。あと、言い忘れていたが雅は先日19歳の誕生日を迎えている。この世界には誕生日をご馳走やらケーキやらで祝う風習は無いらしく、単におめでとうと言っただけだった。


 さて、本題に入ろう。俺たちがここに来て調べようとしていること、それは魔剣のこと。果たしてそれは誰により作られたのか、あるいは何のために作られたのか、そして何より熊谷さんがやって見せたあの技は何なのか。その他諸々を調べにきたのである。

 「しっかし、マジで広いなぁ。アリシア、グリモワの図書館はこれより大きいってどんだけだよ。」

俺はキョロキョロしながらアリシアに聞く。すると、彼女は

「この図書館2つ分はあるわね、少なくとも。」

と答えやがる。いや、そんな東京ドーム何個分みたいに言われましても。俺はそう思いつつ、

「じゃぁ、手分けして探すか...。魔剣って文字のある本見つけたら持ってきてくれ。」

と皆に言う。

 「わかりましたわ。」

「そうだねぇ。」

「悔しいけど賢い判断だわ。まあ、私の方が上ではあるけど。」

「わかりました。」

と返ってくるが、珍しくルナが真面な返事をしたためにアリシアだけが浮いた。

「お前はいつでもブレないな、アリシア。」

中々酷いものだが俺は鼻で笑ってやった。

 それから、俺たちは四方八方へ散って、それぞれ魔剣に関する書物を探し始める。

 『竜王』、『モナルキーア物語』、『滅禍忌斬ノ剣』...。ダメだ、これらは小説。続いて、裏の棚へ行くがそこも小説。

「おっ?」

その後ろを見ると『レギルス魔王録』、『神剣・双剣史』...と歴史書ばかりが並んでいる棚だった。俺はそこから1つの書を取り出す。書名は『五神将 ~魔剣に秘めたる技~』。その魔剣に秘めたる技、というのがもしかしちら熊谷さんの使っていたものかもしれない。そう思って、俺はちょうど近くにいた雅に見せる。

 「私も見つけましたわ、魔剣についての著書。『魔ノ剣争奪』。恐らく、魔ノ剣は魔剣のことでしょう。」

「おぉっ。」

雅の言葉を聞き、思わず声が漏れる。それから、

「私も見つけたよぉ。」

「おぉ。」

「これをすぐに見つけてやったわ。やっぱり、私は天才ね。」

「お゛ぉ゛ん。」

「私も見つけました。」

「おぉ。」

アリシアのナルシ発言には例の猫か鼠かもわからない人形みたいな驚き方になってしまう。

 と、ともあれ俺たちは集まった本を図書館に設置された机に置く。俺と雅、アリシアはそれぞれ前述の書、前述の書、『魔剣ヲ打ツ者』と言う書の1冊ずつだったが、ルナとルチアは2冊持ってきた、かと思ったのだが実質ルナは1冊だ。その1冊『魔剣年表』を退かすと突如、官能小説なるものが現れた。

 「おい、お前これは何だ。」

「官能小説だよぉ。」

「それは分かってる。何でこんなもん持ってきた。」

「悠人、こういうの好きそうかなぁって。お姉ちゃんが書いたんだよぉ。」

いや、知るかよ。てか、これをルナのお姉さんが書いた、だと?姉は妹に似るってのはこのことかよ。俺はそんなことを思いつつ、ルチアの持ってきた『魔剣と禍ツ者』、『量産型ノ魔剣』を広げる。


 そして、それからこの6冊をパラパラと捲っていって色々なことが知れた。

 まず、魔剣はマガツモノ(禍ツ者)とか言う超高度な再生能力を持った魔物を倒すために初代魔王がドワーフに作らせたらしい。どうやら、初代魔王は人間と友好的だったらしいのだ(以上、「打ツ者」と「魔剣禍ツ者」より)。今は失われたがこの後に量産もされたとも言う(以上、「量産型」より)。

 次にあの技についてだが、それは『五神将 ~魔剣に秘めたる技~』が教えてくれた。秘技・青龍アズールドラゴン。東の将・レギウスっていう剣豪が創始し、その魂魄は魔剣に込められ、認めた者にその力を授けるらしい。他にもグラムには朱雀スカーレットバード、ダーインスレイブには白虎ホワイトタイガーと言った感じで5つの魔剣それぞれに裏面制御リバースで隠されてあるらしい。

 他にも禍ツ者が今から3000年ぐらい前に禍ツ者が現れただとか(「年表」より)、禍ツ者には「忌術」と言う異能を使うものもいるだとか(「魔剣禍ツ者」より)、六代魔王の頃から魔剣の争奪戦が勃発しグラムとフルンティングがあっちへ渡っただとか(「魔剣争奪」より)も知ることが出来た。

  

 こうして、魔剣の真相に迫ることの出来た俺たちは図書室を去る。再生能力に「忌術」と言う異能。それはあのイカの怪物にはてはまるからして、おまけに奴が禍ツ者であることも知れた。「魔剣禍ツ者」には禍ツ者は絶滅したって書いてた癖に、「年表」には"原初の禍ツ者"とやらが逃げ延びたと書いてるし。

 「ダーインスレイブにも熊谷さんがしたみたいな技が使えるらしいけど、知っていたか?」

ところが、もっと気になったのはそれであった。たさすると、雅は

「いいえ、存じませんでしたわ。まさか、魔剣にあんな力があるなんて...。」

と当然のように言う。まあ、当然なのだが。

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