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#9 活魚馬車の中が快適過ぎた件

 あの日から、もう3日が立とうとしている。俺は、ひもじくて、体に力が入らない。水底に寝そべって、いつものように「不幸だ」と悲観する元気もない。

 カラ、カラ、カラ!ん?馬車の音?もしかしたら、乗客が捕まえてくれて、川とかに離してくれるかも!

「こ、このチャンスは逃しちゃいかへん!」

俺は「ファストスイム」を唱えて、体を無理に動かして、水面に顔を出す。また、関西弁が出てしまったけど。

 すると、見えたのは、十数匹の馬を操る5人。それが引く、大きな水槽。そこには、たくさんの魚たち。

「う、美味そう!」

味覚どころか五感全てがピラニアになってんぞ、これ!クソッ!あのオタク神!説明不足じゃねぇかっ!

 と、ドーン!水を引き裂いて、雷が落ちた。

「おわっ!あぶねっ!」

俺は「ファストスイム」を使って、紙一重で避けることが出来た。い、今のはまともに食らったら死ぬ奴!

「おい!ペルセウス様!いきなり、何すんだ!?」

「何すんだ!?じゃないよー!今、失礼なこと考えたよのねー?」

「はい、どうも、すみませんでした。」

 そ、それより!活魚車!活魚車!活魚車しゃないけど、活魚車!いや、活魚馬車!俺は、いちかばちか上に跳ね上がる。良かった。荷台が重いから、まだ見える!幸い、天気は雨だ。俺は、

「『ラッシュ』っ!『ラッシュ』っ!『ラッシュ』っ!『ラッシュ』っっっ!」

と唱えまくって、傘から傘、傘から傘へと跳び移って、活魚馬車の横に来たところで、一気に跳ね上がり、さらに、「ラッシュ」で水槽の中の魚に食らいついた。まさに、一石二鳥。俺は水槽の中に入ることが出来、3日ぶりの餌も得ることが出来た。

 水槽の中には、餌がたくさん。少し移動は制限されるが、窮屈なわけではない。

「か、快適だ~。快適過ぎる~!」

俺は、魚たちを食しながらそう言う。

 こんなに魚を食している。しかし、一向に進化は起こらない。もしかして、同じ生き物じゃないといけないのか!?ピラニアを食さないといけないのか!?でも、超大型の時はいけたよな?クロゴキブリ(今、考えてみれば、それに見えるってだけだよな)で、あいつを倒した時は、進化できたよな?クロゴキブリ大とあいつが同じ分類なはずないよな?見た目も全然違うし。俺は「ザ・ゴキブリ」って感じだったけど、あいつはダンゴムシっぽかった。それが、同じ分類なはずないよな?いや、この世界には分類っていう概念がないのか?そこんとこ、まだアバウトなんだよな~...。

 「まぁ、そんなこと、どうでも良いけどな!」

俺は引きつった笑顔を浮かべ(実際には、そう見えないが)水面へ上がり、思いっきり跳んで、近くの川へ突っ込んだ。そらから、俺は万一のため、「オートマチックヘルス」を唱えておいた。念には念を入れろってな!

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