#6 二度目の死の原因が酷すぎる件
昨日の活動報告にてお伝えした通り、本日は2話連続投稿でございます。
「はぁ...。不幸だ。」
あれから、もう1年が経った。この1年間、俺は何度も脱出を試みた。しかし、毎回、女の「プリズン」というスキルによって、それは阻まれ続けたのだ。
かなり、ゴキブリたちも増えてきた。大人も子供も含めて、ざっと300匹。かなり、窮屈な上に、かなり吐き気がする。そんな地獄絵図のような様子を見ながら、俺はため息をつく。俺は今、かなりストレスが溜まっている。
「大丈夫ですか?ため息ついてましたけど?」
1匹の新入りゴキブリが心配してくれる。慣れと言うのは本当に恐い物だ。1年前はゴキブリたちに心配されても、嬉しさは皆無だった。むしろ、とても嫌な感じがした。だが、自分はゴキブリだと、彼らと同じ存在であると、受け入れられている今となっては、
「心配してくれて、ありがとう。でも、大丈夫。」
と、答えるのが礼儀となっていた。だが、1年前にいた仲間たちはもういない。突然死していったのだ。死因は不明だが、俺は彼らがいなくなったことによって、かなり話すことも少なくなった。人間と同様で、意志疎通をしなければ、ゴキブリだってストレスが溜まる。そのストレスと知らないゴキブリたちに囲まれるストレスが合わさって、かなり俺は暗くなっていた。
不安やストレスが蓄積すると、死ぬことがあると、何処かで耳にした。どうやら、不安やストレスの蓄積により、アドレナリンが過剰分泌され、血流に異常が出て死に至ってしまうことがあるらしいのだ。まぁ、本当にそんなことがあるかは定かでは無いし、可能性はかなり低そうだ。だから、大丈夫だろ。俺はそう思った。
しかし、俺は本当にストレスで死んでしまった。大丈夫だと思っていたのに、本当に死んでしまったのだ。
「不幸だ...。」
俺はそう嘆いて、天界へと戻された。
「フラグ回収、お疲れー!」
ペルセウスにそう言われ、俺はさらに落ち込む。
「まさか、こんな死に方をするなんて...。酷すぎじゃない?神様のご加護とかは無いんですかね。」
「無礼な男が神様の加護を受けれるなんて、考えないことだよー?自業自得だからねー?」
俺は耳を塞ぐ。聞きたくなさ一心で。
「では、言ってらっしゃーい!」
ペルセウスは杖を取りだし、
「マジカル・フレーム!」
と唱えた。すると、俺は光の中を落ちていった。
結局、ゴキブリから始まるわけね。
「不幸だ...。」
俺はそう悲観する。それから、もうあんな目に合わないように、家と家の隙間に入った。
ドサドサ!ドサドサ!ドサドサ!そこに入るやいなや、そんな重厚な足音が聞こえた。
「ひっ!」
俺は悲鳴をあげ、壁から地面に落ちた。俺は状態を起こす。すると、目の前には、ヨロイモグラ大のゴキブリがいた。待てよ!俺、クロゴキブリだぞ!確か!一般家庭によくいる中型のゴキだぞ!それが、世界最大(それは、転生前の世界での話)のゴキと同じサイズの、超大型に目をつけられるなんて、
「やっぱり、不幸だぁぁぁぁぁ!」
俺は大声で叫んだ。