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#38 ルナの固有スキルがチート過ぎた件

 ビッチが加速するルナその人と俺は先のクエストでお邪魔したプロスペレの森へ再び、お邪魔した。やはり、この森は不気味で肌寒い場所である。

 「この森寒くない?」

震えながら俺は言う。すると、

「そうねぇ。こんな所じゃクールビズも出来ないわねぇ。損なことたしたら、低体温症になり兼ねないわぁ。」

安心しろ、ルナ。この森にいようがいまいがそれは不可能だよ。俺が阻止するから。

「悠人もこんなところでクールビズなんかしちゃダメだよぉ。低体温症になるからぁ。」

安心しろ、ルナ。俺はそんな変態みたいなことはしない。

「悠人は思春期真っ盛りだもんねぇ。」

安心しろ、ルナ。俺よりお前の方が思春期真っ盛りだ。

 「おい、ルナ。これ以上、俺を変態扱いするなら『スマッシュ』一発ぶち込むぞ。」

俺はそう脅してやる。だが、ルナは全くビビらず、

「勝手にすればぁ?」

とバカにするような態度を見せる。

 俺はルナを異性としては見れそうにないが、性別上で見れば異性である。性別上で見れば。異性を殴るなんて最低の行為だ。それは、男から女、女から男どちらも同じことだ。俺は男女平等主義者である。男が女を殴るのがいけなければ、女が男を殴るのもいけない。逆に、女が男を殴るのが良ければ、男が女を殴るのも良いのである。どこぞのクズ主人公も男女平等主義者を名乗っているが、あれは極端な例である。いや、こちらの方が極端か。

 ルナは嘗めてはいるものの、暴力は奮っていない。つまり、今は彼女を嘗めるのは良いが、暴力は奮ってはいけない状況である。だが、俺は無視した。嘗めたお返しなどでは無く、単純に相手をするのが面倒くさかったのである。

 そして、森の奥へ奥へと進んでいった。小さなモンスターが俺たちを横切り去っていった。その少し先で見たのは、棍棒を持った超巨大な怪物。あの時の怪物と同じ姿をした奴である。

「オスのトロールかぁ。アソコは大層立派何だろうなぁ。」

ルナは股の辺りを見ながら、夢見心地になる。トロールが棍棒を振り上げる。

 「早くそこから離れろ、バカ!死ぬぞ!」

俺は出来るだけ大きな声で言ってやった。しかし、ルナは聞こえていない様子である。何してんだバカ野郎!俺は半ばキレつつも、剣を抜き死を覚悟で突っ込んで行った。だが、時既に遅し。棍棒はルナに向かって振り落とされた。

 ボゴォォォォォン!凄まじい轟音。上がる土煙。揺れる地面。それらを纏めて考えれば、最悪の場合、ルナが死んでいると考えるのが妥当である。と、思ったのだが。土煙の中から横へ奴の棍棒が飛んでいき、土煙の中からルナが後退してきた。見ると、ら手から血がタポタポ流れているレベルで、他に目立った外傷は無い。嘘だろ!?今のを食らってその程度のダメージって!?

 驚く俺にこっちまで後退してきたルナが言った。

「私の固有スキルはねぇ、『ディスポーズ』って言ってぇ、物理攻撃を無効化、あるいはダメージを減少させることが出来るんだよぉ。」

何そのチート能力!?そう言うのって、俺にあるものじゃないの!?

「まぁ、限界はあるどねぇ。」

それでも、チート能力だよ!どうりで、『スマッシュ』をぶち込むと言っても、ビビらないわけだ!

 ルナには物理攻撃がほとんど効かない。つまり、物理攻撃しか出来ない奴に対しては、俺たちの方が確実に有利と言うことだ。俺たちはお互いに目を合わせ、頷き合う。それから、まず彼女が突っ込み、棍棒を捨てた奴が左手で殴り掛かる。

 「『ディスポーズ』っ!」

その殴りをルナが左手で受け止める。続いて、奴は彼女に右手で殴り掛かる。

「『ディスポーズ』っ!」

それが右手で受け止められる。さらに、彼女はそのままの状態で

「『ディスポーズ』っ!」

と唱え、両手を同時に突き出す。その瞬間、一瞬ではあるが奴が怯んだ。

 俺はその瞬間を逃さず走り出す。ルナが横に避ける。奴の前まで来ると、左手の大きな拳が襲ってくる。俺はそれに当たる前に身を屈める。ドゴォォォォォン!後ろで聞こえる轟音と共に俺は大きく跳躍し、

「『スマッシュ』っっっ!」

と吠える。

 グチョッ!痛々しい音ともに股間の急所が瞑れた。

「グォォォォォッッッッッ!」

奴はそこから血液と粘液を撒き散らしつつ、少し後ろへ。そして、そのまま、地面に仰向けになった。まだピクピク動いてることから、まだこいつが生きていることが分かる。俺は走り高跳びの要領で跳躍し、トロールの腹に俯せになる。酷い臭いがしたが、弾力があったため怪我はしなかった俺はその上を歩き、胸の辺りに思いっきり体重を掛けて、剣を突き刺した。だが、まだ動いている。

 「『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!『スマッシュ』!」

俺は「スマッシュ」を何度も何度も唱える。拳を金槌、剣を釘に見立てて、何度も何度も柄の上の部分殴る。すると、剣はささらに胸の奥へと突き進む。それを何度が繰り返しているとついにピクピクとも動かなくなった。事切れたのである。

 ギルドカードを見るとレベルは4になっていた。だが、新たな問題が発生。いくら力を入れても剣が抜けないのである。クソッ...!こうなったら!

「『フロントキック』!」

俺は剣の柄を蹴った。すると、剣はトロールの体を抉りながら前へ。

 「よし!」

俺はそれを繰り返し、やがて勢い余って地面に突き刺さった剣を俺はトロールから降りて地面から抜いた。それから、剣を鞘に収める。

「イェーイ!」

ルナがハイタッチをしてくる。俺は適当な気持ちでそれを受け、

「行くぞ。」

と言って、そそくさと去っていった。彼女はそんな俺に着いてきた。

 そして、出発から約半日。森を抜け、草原を越え、丘を越えしたりした末、ついに俺たちはグリモワまで辿り着いた。途中で出会った数々の雑魚モンスターのお陰で俺のレベルは残り225経験値のレベル6まで上がり、ランクもDになっていた。幸運指数は上がっていない。

 しかし、グリモワには着いたものの門は閉まっている。門を通って入らないと罰せられるらしいので俺たちは門の横で野宿をすることにした。その頃にはもう月が西の空に傾いていた。

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