#35 ビッチが仲間になってしまった件
「助けてくれてありがとねぇ。何でもするよぉ?」
やっぱ、そう来たかぁぁぁぁぁ!先の神頼みなど無駄になる瞬間であった。
「本当に...何でもするよぉ?」
さらに、ビッチは折角羽織った服を脱ごうとしてくる。
「然り気無く、脱ごうとするなー!」
俺がツッコミを入れると、
「やだなぁ。半脱ぎだよぉ。」
とビッチ。いや、半だろうが全だろうが同じだ。俺は眉をひそめながら、
「一応聞くけど...」
「スリーサイズは上からぁ、95/69/93だよぉ。」
言い終わる前にビッチはモジモジしながらそう言う。お前のスリーサイズなぞ聞いていない!だが、ナイスバディー...!って...な、何を考えているんだ、俺は!こんな女に!
「あのなぁ...。」
俺は完全にビッチが他人であることを忘れていた。と、彼女の持つスマホによく似た形の石盤が、ピロリン♪とこれまたスマホとよく似た音を立てて、光った。
「あの、それは...。」
俺が指差して、説明を求める。
「ああ、これかなぁ。これはねぇ、テレパスストーンって言ってぇ、相手と何処にいても会話出来る魔道具だよぉ。『テレパス』って言うスキルが付与されているんだってぇ。」
すると、ビッチは説明してくれた。なるほどー、スマホみたいなもんかー。
「今時、これを持ってい無い人は珍しいんだよねぇ。」
なるほどー、スマホみたいなもんかー。
「ち・な・み・に!あくまでも、会話のための道具だからぁ、エッチな画像とか見れないよぉ。」
なるほどー、そこはスマホと違うのかー。て言うか、そんな補足説明はせんで良い!
「もしもし、エミール?うん...今日?暇だから大丈夫だよぉ。うん。じゃぁ、北門の前でねぇ。じゃー後でぇ。」
「つかぬことをお聞きしますがお相手はどなたで?エミールとか言ってたけども。」
電話擬きを切ったビッチに俺は聞く。すると、
「そんなの私が知るわけないでしょぉ。この前、エミールって子をナンパして捕まえたからぁ、多分、彼だなって思ったのぉ。違ってたら、知らないけどぉ。」
こ、この女...!やっぱ、ビッチだ!
それから色々あったが、結局俺はビッチと共にギルドに行くこととなった。
「じゃぁ、この人とパーティーに入るのでぇ!パーティー登録お願いしますぅ。」
しかも、ビッチの独断でパーティーに入ることが勝手に決まっている。
「あの、俺は別に望んでな...」
「パーティー登録完了しました。」
たが、時既に遅し。俺が言い終わる前に、カウンターの人は登録完了を告げた。あれ?俺の意見は?俺の意見はどうしてくれんの!?不平等じゃんか、これ!?
「ところで、どうしてこの方のパーティーに?」
俺が心中で非難していると、カウンターの人はビッチに聞いた。すると、彼女は
「えっとぉ、それはぁ。この人が私にイ○モツをぶち込んできてぇ。この人に身と心を委ねる関係になったって言うかぁ。」
と、またモジモジしながら言った。
「あらまぁ。」
カウンターの人は口を片手で覆って赤面する。俺は手を横に振って、
「いえいえ、大丈夫ですよー。今のこいつの冗談なので。俺たちはそんな関係じゃありません。」
と否定し、これ以上このビッチが変なことを言わないように、ギルドの外まで引きずっていった。
そこで、ビッチを放る。そして、説教。
「おい!このクソビッチ!まだ冒険者になったばかりだってんのに、俺の評判が悪くなるような冗談はやめろよ!」
「えぇ、でもぉ、さっきの事実だしぃ。」
「事実じゃねぇよ!」
「しらばっくれるてないで、パーティーに入れてよねぇ!このバカタレ!」
バカタレぇ...!?
どうしてもこのビッチは俺のパーティーに入りたいらしい。俺はそんな人間をも除け者にする主義では無い。案外、押しに弱かったりする。そんな俺は1回のため息の後、
「分かったよ。そんなにパーティーに入りたければ勝手にしろ。」
と言った。すると、ビッチは
「ありがとねぇ。」
と笑顔で言う。だが、思ったよりドキドキしない。
「あっ、それとぉ、私はクソビッチじゃないよぉ。ルーナ・リンネル・エイプリルだよぉ。ルナって呼んでねぇ。」
ビッチ、もといルナが名乗ったので、こっちも名乗るのが礼儀と言う物だろう。
「俺は新嶋悠人。こらから宜しく。」
俺が手を出すと、彼女はそれを握る。
「うん!宜しくね、悠人!」
握手の状態でルナは飛び切りの笑顔で返してくる。だが、体が火照ることも無ければ、体が熱くなることも無い。カウンターのあの人とは大違いである。どちらも美人で巨乳で飛び切りの笑顔。どちらも同じ条件のはずなのに、何も感じない。やはり、俺は思ったよりドキドキしないのであった。




