表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/202

#29 やっと武器防具の調達が出来た件

 次の日、結局ほとんど眠れなかった俺は、欠伸を漏らしながら、部屋の扉を開け、鍵を渡すと共にチェックアウト済ませた。そして、今度は出口の扉を開けて、宿屋を後にした。

 それから、俺はまずギルドの前にある、武器屋に足を踏み入れた。

「よっ!兄さん!先日はご苦労さん!」

厳つい顔をした巨漢の中年が、俺に手を振る。どうやら、この人が店主さんのようだ。俺は少し失礼だとは思ったが、取り合えず手を振り返し、

「今日は武器を調達に来たんですが、刃渡り50cmぐらいの両刃の剣ってありませんか?」

と聞くと、店主は

「注文、承ったぜ!ちょっと、待ってろ!表にはそんなもん出てねぇが、在庫があるかもしんねぇ。ちょっと、見てくらぁ。」

と、その姿形に相応した口調でそう言った。俺は、

「は~い。」

と返答するのみであった。

 それから、しばらく。突っ立って待っていた俺の前に巨漢の店主が戻ってきた。

「兄ちゃん、良いもんが見つかったぜぇ。超有名鍛冶、リチャード・トムソン・マクドウェルが作ったショートソードだぜぇ。」

そう言って、俺に注文通りの両刃の剣を大きめの布の上に乗せて、手渡してくれた。それは、窓から差す日光を反射し、白く明るく照り輝いた。

 俺はその眩しさに目をつぶるが、日光を反射したのはその時だけであった。俺は、まだ目に光の残像がこびりつく中、その剣を手に取り、鞘も貰った。素人の目で見ても、この剣が良質であることは明らかである。俺は、店主に

「これ、おいくら万円?」

とふざけるように聞いた。店主は

「円?そんな単位は聞いたこと無いが、値段は鞘込みで1万5000コルドだぜ?」

と言った。そうだった、そうだった。あっちの通貨はこっちでは通じないんだった。俺はそんなことを思い出しつつ、

「そうですか。じゃぁ、1万5000。」

と言って、代金を支払った。これで、現在の所持金は約3万コルドである。

 「じゃぁな、兄ちゃん!また来てくれい!」

俺は、そう言う店主に手を振って店を後にした。昨日の男について聞くつもりだったのに、聞いていなかったのに気付いたのはすぐその後のこどである。

 さて、続いては、防具屋だ。もう、変な服だとうらさい野次馬の声が耳に入るのは御免である。俺は武器屋横の防具店の扉を開ける。カラカラカラーン!と言うと鈴の音と共に、燃えるような赤毛を短く纏めた、細身の男性が奥の方からやって来た。

 「いらっしゃいませ。どうぞ、御自由に御覧ください。」

その男性は丁寧な口調でそう言った。どうやら、この店の店主のようだ。それにしても、さっきの、武器屋店主とは対照的である。あっちはフレンドリー、こっちはプライトマンと言う感じで、容姿から見ればあっちは荒くれ、こっちは爽やかと言う感じで、悔しくもかなりのイケメンである。

 何このイケメン、見てるだけでも腹が立つ!無性に殴りたい気分!そんな嫉妬を心の奥に留めて俺は目当ての物を探し始めた。レーザーアーマーやら西洋風アーマーやらそこら辺の鎧が所々に立ち並んでいるが、俺が欲しいのは普段着としても使える服に魔法が付与されたような代物である。

 そんなことを思いながら、俺は店内をウロウロウロウロとし、やっと目当ての物を見つけた。その目当ての物とは魔法防御の付与が付いた白い薄着に、耐火の付与が付いた銀縁に緑のマント。その2つの上端は深紅の宝石がはまった黄金の枠で纏められる用になっている。ちなみにその宝石こそが耐火の能力を産み出している。

 そして、俺は、上機嫌でそれらをレジに持っていった。

「おや、決まりましたか?」

束の間。店主の爽やかなスマイル。俺は、

「スマッ...」

思わず、「スマッシュ」を唱えかけてしまうが、何とか抑えて、タグに記された薄着300コルド、マント1500コルド、合計1800コルド。それらを払って、試着室で服を着替えた。ずっ異世界らしくもない制服から解放され、冒険者っぽい服に着替えた。

 ガシャッ!試着室のカーテンを開ける。ついでに、無料で貰った黒のベルトに鞘を引っかけて、帯剣しておく。これでこそ、冒険者と言うものである。今までの丸腰なんて有り得ない。

「よくお似合いですよ。」

また、店主の爽やかスマイル。しかし、今度は「スマッシュ」よ「ス」の字も出なかった。

「ありがとうございます。」

と、照れただけであった。

 それから、俺は

「またのお越しお待ちしております。」

と丁寧に言う店主を背に、俺はその店を後にした。扉を開けると、カラカラカラーン!と鈴の音がした。

 「あぁぁぁぁぁっっっっっ!また、聞くの忘れたぁぁぁぁぁっっっっっ!」

俺は恥など忘れて、頭を抱えてながら彷徨する。それは、慣用句などではなく、文字通りに。そんな俺は、初の通常クエストを受けるべくギルドの敷地に入った。あっ、ケンタウロスのアレは緊急クエストね!あと、現在所持金、3万3000。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ