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#24 異世界での初戦闘が丸腰で始まった件

 俺は走って、ナンパされた巨乳の女の子を追い掛けた。町を抜け、森を抜け、野を越えて俺は木に隠れたり、茂みに隠れたりとしながら、俺はその一行を追い掛けていった。

 と、そこで俺は何かを踏む感触を覚える。グチョッ!と、言う音と共にヌルヌルブヨブヨとした感触が靴から足へと伝わる。シュー、と音を出しながら靴の生地が溶けていった。

 悠人には心当たりがあった。ヌルヌルブヨブヨとした半個体の生物。普通の色は青か緑。ローションのような酸を含む体液を分泌し、体自体が消化液で出来ている。知能がないのがほとんど。単細胞生物だと言われても違和感は無い、あのモスター。分裂して仲間を増やすので奴は無性生殖で増えるのだろう。ますます単細胞生物ではないか。

 そう、その名はスライム!もう、定番となり果てた雑魚中の雑魚のモンスター。俺はそんなレッテルを張られるスライムが可哀想だと思っていた。だって、酸だよ?酸!水素イオン様を持ってるんだよ?酸って強くなったらヤバいんだよ?本当に現れたら怖いよ?アルカリはさらにタチが悪いけどさ!

 「てか。俺、丸腰!」

流石にクズの主人公と女神と厨二とドMの某異世界アニメのような無いだろうと思ったので、武器を手に取ろうとしたのだが、今さら、自分が丸腰であることに気付いた。

 「クソッたれぇ!」

俺はどこぞの最強さんのように言いながら、

「せいやっー!」

どこぞの電撃姫さんのような回し蹴りを木に食らわせ、スライム払い落とす。

 「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!」

俺は右足の先に痛みを覚える。どうやら、木に打ち付けたようだ。俺は右手を手で押さえて、左足を軸に跳ねて回って跳ねて回ってした。

「やっぱり、不幸だな、俺は。」

俺はため息をつく。自業自得だと言われれば何も言い返せないなだが、俺はこれを自分の不幸のせいにしていた。

 その痛みに耐えながらも俺は全力疾走でスライムから逃げた。スライムが幾度も幾度も分裂し、襲い掛かってきたのだ。

「うわっ~!」

俺は行きとは逆の道順で野を戻り、森を戻る。

 そこで、捨てられた鉄板を見つけた。俺は走るの止めて、それを取り、地面に突き刺す。そして、目を細め、スライムをギリギリまで引き寄せ、鉄板を倒した。

 ベチャベチャベチャッ!スライムの潰れる音が連なった。鉄板の裏を見てみると鉄は溶け初めていた。スライムは動いていない。

「何であんな所に鉄板があったかは分からないけど、助かった。」

俺は一安心して地面に座り込む。

 束の間。横を通りがかった中年男性がこっちに火のついたままの煙草を投げた。まだ、スライムの死体は鉄板を溶けている。スライムは酸の固まりで、鉄と言うものは酸に触れると溶けて、水素を発生する。水素と鉄のイオン化傾向がどうとかこうとかで水素が発生してしまうのだ。そして、水素は燃える液体。

 ボンッ!ボンッ!ボンッ!水素の燃える音と共に俺は指に火傷を負った。

「あっつー!不幸だぁぁぁぁぁ!」

俺は天に向かって叫ぶ。その声は辺りにこだます。

 同時に俺は思う。何で異世界なのにあっちの世界の法則が成り立ってしまっているのかと。俺が心の底で期待していた異世界独自の法則は何処へ行ったのだろうかと。

 それに、結局、途中で邪魔が入り、あの一行を見失ってしまった。ビッチだから大丈夫などと言う先入観には囚われてはいたが、やはり心配であった。心配であったからこそ追い掛けた。良からぬことに巻き込まれていないだろうか。俺の頭にそんな不安が過り、嫌な冷や汗もかいていた。

 とは言え、俺のギルドカードのスキル欄の上には「5P」と記されていた。この世界で初めて獲得したそのポイントは、名誉と喜びに満ち溢れていた。

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