#20 やっと人間になれた件
それから、また約3日。途中、羽休めをしながら俺は、プロスペレの町まで戻ってきた。
空を飛んでる途中、魔王軍、いや幹部の1人とその小隊か。ひとまず、そんな物が乗っていそうな馬車は全く見なかった。それどころか、馬車を見ることもなかった。
「少しは余裕があるか...。」
俺は取り合えずため息を着いておいた。いつ、その余裕が無くなるかも分からない。今の内に安心しておこうと。
「そんなこと、言ってられるかよ。」
そして、結局、俺はほとんど休むことなく、他のカラスを見つけることにした。これまでの進化の条件が何となくだが分かった。
まず、ゴキブリならゴキブリの仲間、ピラニアならピラニアの仲間、アカガエルなら蛙の仲間、カナトカゲなら蜥蜴の仲間を殺せば進化は起こる。判断基準はかなり大雑把で、分類の方法が前の世界と同じなら、「~目」までが同じであるかが判断基準。こなり大雑把だが、そうしないと、矛盾が生まれる。
理由は、普通のゴキブリであった俺が、ダンゴムシ型の巨大なゴキブリ殺しても進化したから。「ダンゴムシ型」と言うのは、オオゴキブリ科の特徴で、対する普通のゴキブリはゴキブリ科。科の時点で違っている。
何か、柳田理科雄さん著の空想○学読本みたいな文面になってしまったが、全く関係無いので理解して頂きたい。それに、理科が好きだとは言ったが生物学は管轄外だ。そんな物で、そんな本を書ける訳が無い。あのシリーズ好きだったんだよな~。俺はまたどうでも良いことを思い出す共にカラスが何目がを思い出した。
スズメ目。それが、カラスの目だったはず。 つまり、スズメを殺しても進化できる。俺の仮説が正しくかつ、分類の方法が前の世界と同じだとすればの話だが、試してみる価値はある。下手にカラスに戦いを挑んで返り討ちに合えば元も子もない。これまでの、苦労が水の泡になる。では、安全なスズメの方をまず襲ってみようではないか。それで進化出来たなら願ったり叶ったりだし、出来なければ仕方無く他のカラスに戦いを挑めば良い。
「だから、俺は賭ける!」
上○さんも驚く、不幸な体質を持っている俺の口からそんな言葉が出てくるなんて誰が思ったことであろう。だが、今は関係ない。神に祈った。願わくは、この賭けに勝たせてたばせたまえ、と。
そして、スズメを見つけた瞬間。それは、一瞬のことであった。俺は大きく叫び、唱える。。
「『ラッシュピック』っっっっっ!」
最短最速で俺はそのスズメへ特攻する。空を裂き、風を払いのけ、体を流線型に近づけ、空気抵抗を減らして突進する。しながら、嘴を付き出す。
ザクッ!先端の鋭利さに、推進力が合わさり嘴はスズメの首根っこを貫いた。宙にはヒラヒラと羽毛が舞い、嘴にはまだ温かな鮮血が当たり、穴から大量に滲み出ている。
いくら、光や音に敏感なスズメでもあの速さには着いていけない。周りにいたスズメは飛び去って言ったが、こいつは確実に仕留めた。気付けば、血も吹き出していない。スズメは完全に沈黙していた。
俺は嘴を首根っこから抜いた。すると、ドサッとスズメは横たわった。弱々しくではあるが、まだ動いてる。が、やがて、全く動かなくなる。死んだのだ、と思ったその瞬間であった。
まず、変化したのは足と手であった。足は太くなり、長くなり、股間の"ソレ"は今までにない存在感を放った。久しぶりだからだろうか?この感触に違和感がある。前の世界では何の障りも無かったこの感触に違和感がある。
「まぁ、股間のことなんか気にする必要ないか。それじゃ、まるで変態じゃないか。」
そして、手からは羽毛が引っ込み、手までが長く太くなった。
それと同時に、全身の羽毛は大幅に減り、足と手からはほとんど無くなった。股間の"ソレ"と頭の天辺の羽毛も減ったには減ったが、毛として多くがそこに残った。
「さて、ステータスはっと...。」
僕は空を見上げる。しかし、ステータスもスキルも表示されない。
「ないじゃん!」
俺は天に向かって思いっきりツッコミを入れてやった。
と、スマートホンが振動する。着信音にも聞き覚えがある。おそらく「魔法少女百合子ちゃん」のテーマソング、「助けて!百合子ちゃん」であろう。
「クソッー!あのオタク神からか!」
俺は地面をドンッ!と踏みつけ、歯噛みする。勝手に着信音変えやがって!
ゴロゴロゴロゴロッ!そして、いつものように雷が落とされた。そう言えば、異世界ハーレム系アニメに、主人公の死因が神様の手違いによって落とされた雷ってのがあったな。バナナで転んで、後頭部強打よりはましだろうけど。
あのアニメが何故あんなにも叩かれたのだろうか?もしかしたら、今も叩かれているのかもしれない。「神アニメ」までとは行かないが、「クソアニメ」とまでは行かないだろう。実際に、原作は売れている。
だからって、アニメ化しては行けないとか言う連中の頭の中を見てみたい。豪華声優の持ち腐れなどと言う連中ののものもも。やたらと、「まるで将棋だな」で馬鹿にする連中のものまでも。頭沸いてるんじゃないの?
と、全アンチを敵に回しながら、俺はあることを思っていた。あの"お爺ちゃん"ってあのオタク神の親戚かなんかじゃないの?と。
ゴロゴロゴロゴロッ!また雷が落ちる。俺はもう慣れていた。そこに問題があるのだが、何も感じることなどなく。済ました顔で、画面に「着信 ペルセウス様」とある、スマホを操作して、電話に出た。




