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#2 神様に無理ゲーを投げつけられた件

 「君には、新生活ならぬゴキ生活をしてもらうよー!」

神様にそう言われ、俺は

「いや、随分、嫌なことをおっしゃりやがりますね!神様!面白くないですよ!」

とツッコミを入れた。

「そーかーい。」

神様は返事した。

 「ぐぎぁぁぁぁぁ!」

と、次の瞬間、全身に痛みが走り、俺は転生早々、死亡した。ただでさえ平べったい体がさらにぺちゃんこになった。そう、たまたま通りがかった誰かにブチッ!と、踏まれて、圧死したのだ。俺は、

「これは...何と言うか...いろんな意味で...不幸だ...。」

と悲観する。

死んでしまったので、天界に戻され、目の前にあのオタク神が現れたのだ。俺は深いため息をつく。すると、

「僕の顔を見るなり、その態度はないよー!次、僕の目の前で、そんなこと言ったら、お仕置きしちゃーうぞ!」

と、オタク神は百合子ちゃんの決めゼリフで注意してきた。

 「で、同居確定ですか...。」

俺はさっさと話を変えようと、でも、暗い声でそう聞いた。

「ん~...。ゼウス様のお作りになられた天界規定ではそうなってるけど、君がゴキ生活をしたいならー...」

「なら?」

 「良いんじゃないかな。」

オタク神は無駄にイケボでそう言った。

「いや、良くないでしょっ!ゼウス様って、あのゼウス様でしょ!?」

俺は聞く。

「そうだよー!全知全能の最高神ゼウス様だよー!」

オタク神はそう言う。俺は

「だったら...!」

と言う。

「多分、大丈夫だよー!僕は最高神から位1つ下の最上級神の1人、ペルセウスだよー!こっちの事情で様付けしてるけど、ゼウス様はお父さんなんだよー!きっと、聞いてくれるはずだよー!」

すると、なんと、オタク神はそう宣言したのだった。

 「あの、メドゥーサを倒したって言う?」

「あぁ、あの魔法少女は僕が倒したんだよー!」

「魔法少女?」

「そーだよー!見たものを石に変えるなんて完全に魔法少女の諸行だよ。」

「ちなみに、どうやって倒したんですか?」

「鏡を使ったんだよー!」

俺の知ってる通りか...。これで良いのか、ペルセウス?これで、良いのか英雄?こんな、オタク神がかの有名なペルセウスで良いのだろうか?いや、ない!これぞ、反語の極み!

 「今、失礼なこと考えたねー!お仕置きとして君に、重労働を課すんだよー!」

神様にそう言われたので、

「重労働?」

と相づちを打つ。

「そーだよー!重労働だよー!ちなみに、魔王討伐だよー!ゴキから始める魔王討伐だよー!」

と、言ってきたのだ。

 「ってことは、また俺はゴキブリになるんですかっ!?それで、魔王を倒せとおっしるんですか!?」

俺はオタク神、もとい、英雄ペルセウス様に聞く。

「まぁ、それは流石にキツいだろうから、あるシステムを作るんだよー!」

英雄様はそう答える。

 「いや、キツいどころじゃないですよ!労働基準法って知ってます!?2016年には安部さん考案の、『働き方改革』も法案化されて、働きやすい世の中にしようってことになってんですよっ!?」

俺は慌てる。しかし、英雄様はそれを気にも止めてくれなかった。

「天界規定には、転生者に重労働を課してはならないってのはないねー!まぁ、何もしてない人に重労働を課す神はいないがねー!」

「いや、あれよ!」

俺は、『天界規定』とかいう奴に、ツッコミを入れた。

「それに、君の転生した異世界にはそんな法案は無いんだよー!」

俺は、今度はその異世界にツッコミを入れた。

「だから、あれよ!」

と。

 そして、俺は問答無用で転生させられた。


 転生が終わり、俺はペルセウス様に、

「で、そのシステムって何ですか?」

と聞いた。

 「進化ゲームとか、進化じゃんけんとか言われてるレクリエーションと似てるんだよー!同じ動物同士でバトルして、勝てば進化、負ければ退化、ゴキブリの場合は、退化はしないんだよー!ちなみに、ゴキブリ、魚、蛙、蜥蜴、鳥、人間の順だよー!人間になってからなら、勇者にもなれるんだよー!何度、死んでも、転生させてあげるけど、その時は、ゴキブリからやり直しだよー!」

「やっぱ、ブラック企業か何かでしょっ!こら、無理ゲーじゃん!」

「これでも、サービス精神満々なんだよー!我慢するんだよー!ていうか、自業自得なんだよー!」

「そう言えば、そうでしたねっ!」

俺は引きつった笑顔をした。と、言っても、ゴキブリなので笑顔には見えるはずがないのだが。

 「それでは、進化ゲームの始まり~、始まり~!」

ペルセウス様にそう言われ、

「不幸だぁぁぁぁぁぁ!」

と叫んだ。しかし、ゴキブリだから、実際に声には出なかった。てか、ノリ軽っ!

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