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#192 海水浴中大量虐殺の一報が届いた件

 やがて、俺は雅、アリシアはルナ、ルチアはレスターからそれぞれ頼んだものを受け取った。リヴィエラはトロピカル系のジュースやらカクテルやらが名物らしく、俺はバナナミルクを、アリシアは、ルチアはマンゴーソーダ、アリシアはココナッツパインをそれぞれ注文していた。

 俺は管を刺し啜って、口の中へジュースを吸い寄せる。バナナの甘味とミルクのコクが濃厚な風味を織り成し、濃厚でありながら口当たりはよく、すぐにその風味が喉でも感じられた。

「ん~...!誰かを負かして得た奢りってのはまた格別ねー。まぁ、分かってたことだけどー。ね?ルチア?」

「は、はい...。」

あちらを見るとアリシアがルチアを困らせてはいたが2人とも美味しそうにジュースを飲んでいる。

 ところが、後ろに涎を垂らして恐ろしい目をした食欲旺盛、性欲旺盛の女が1人。ルナである。

「『テレポート』。」

と俺は静かに唱えて、彼女の後ろへ。そのまま、脇下に腕を回してガッシリ固定した。

「はい、負け組は勝ち組の金品を奪おうとしない。」

と言って。

 「は、離してぇぇぇっっっ!変態ぃっ!この人、変態だよぉっ!こんなことした時点で人生負け組なのに、自分は勝ち組だとか言ってるしぃっ!」

(こ、こいつ...!黙ってりゃ、勝手なこと言いやがって...!)

しかし、ルナは暴れ、叫び、蔑みまくる。俺は煮えたぎるようや怒りに震えながら、続くルナの問題発言を耳に入れた。

「私を動けなくして、そこの男2人に犯させるつもりだよぉぉぉっ!あぁっ!言ってるそ...ふぎゃぁ!」

だが、その言葉はエミール、レスターの本気の殴りで遮られた。

 「それ以上の事実無根、笑止千万は例えルーナであろうと許さん。」

「すまない、ルーナちゃん。今のは流石に悠人よりも腹が立った。」

彼女を殴り飛ばした手を下ろして、2人はそれぞれ言う。その様子を見て俺は、

「ホント、バカだよな。ルナって...。」

と言い、アリシアも

「自業自得ね...。」

と呆れ果て、ルチアは

「い、今のは擁護できかねます。」

と申し訳なさそうに言い、雅も

「あれはルーナちゃんが悪いですわ。」

と咎めるように言う。要するにこの件について、少なくとも彼女の味方となるものはいないということだ。残念なことではあったが、仕方のないことであろう。


 と、ガラァァァッッッン!ガラァァァッッッン!ガラァァァッッッン!鐘の音が突如響き渡り、そんな平穏な雰囲気は一気に消し飛んだ。何らかの危機的知らせである。

 やはり、俺の不幸が俺を疫病神に至らしめていらのかもしれない。前から探偵系の漫画や刑事系のドラマを見ながら主人公が関わるから事件が起こるんじゃないか、とか思っていた俺にとってそれは自己嫌悪の起因でしかなかった。

 だが、自己嫌悪に浸っている暇はない。自分の不幸が事件を招いているというなら、俺...いや俺たちが手ずから解決してやるのみである。そう、前述の2種の主人公も仲間の力も借りて番組が終わるまでには事件を解決しているのだから。

 善は急げ。思い立った瞬間には、アリシアの「テレポート」でギルドに現れ、カウンターの方へ向かう。

 「おぅ、来てたのかアンタたち。」

と言うカウンターの人。

「あの、どうしたんですか?」

「実はな...数日前からこの町では不審死が相次いでいたんだよ。で、急遽、調査のクエストが出たんだが受けた者の報告によると『プロテギウス』とか名乗る鎧の化け物がその手の剣で人を殺して、殺して、練り歩いてる、ってことだ。既に百人は犠牲になっているのが分かっている。」

「『プロテギウス』ですか?魔王軍幹部の?」

「何?その『プロテギウス』とか言うのは魔王軍幹部なのか!?」

「はい。」

「この町も二度目の魔王軍襲来となるのか...。前回は内側、今回は外側から...。まだ、復興も十分でないと言うのに...。」

聞くとその人は答え、聞き返すと質疑応答が少し続いて、悔しそうな顔をする。

 「俺たちが倒しにいきます。魔王軍討伐の報酬は半分を俺たちに、半分を他のことにお回しください。」

そんなカウンターの人へ俺はそうとだけギルドを出ていった。倣ってルナ、アリシア、ルチアに雅もすぐギルドを出る。その際、

「金を貰うのも良いが、やはり労働の後の食事と酒は欠かせない。全員分の食事と酒を用意しながら、俺たちが戻っくるのを待っていてくれよ。」

とレスターは言ってからで出るのが送れ、

「すまないが、今回ばかりはパスだ。『プロテギウス』はフィアマンと繋がっているのだ。俺の裏切りを知れば、すぐに魔王に知らせが渡るだろう。この段階でバレるのは早すぎる。俺はギルドへ逃げた来た人間を守ることとするよ。」

「わしは力の面だけなら自信はあるがのう...。体力面には自信はないし、もし自信があってもどうにもならないのじゃ...。かつて魔王を倒したわしも今や1人の老いぼれ、魔術戦ならまだしも、近接戦では足手まといになりかねん。」

とエミール、熊谷さんはここに残ることを選択した。

 こうして俺たちは6人で魔王具幹部、鎧番人プロテギウスの討伐を誓い、歩み出るのであった。この時ばかりはレスターがふさけるようなことはなく、怪訝な顔をしても共闘については快く思っているようだった。

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