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#185 皆が悪魔に苦戦を強いられていた件

 プロスペレの森内部。雅とマモンは激戦を繰り広げ、雅は奴の盗品射出を見切り、ついにその間合いに入ることに成功していた。

 だが、だからと言って雅が優勢になったという訳でもない。マモンは剣を構え、雅と打ち合い、以前、自らに分があるのを決して譲らなかった。

 「あなた...悪魔の癖して、剣術にも長けていますのね...!」

「フッ...いくら、原罪ロストで財を奪えても、それを使えなければ宝の持ち腐れだからなぁ...。いかなる物であろうとも扱えるよう、七つの大罪に座した神代の頃よりあらゆる物の扱いを学んできたのだ。まぁ、恐らく1つ1つの扱いはそれを極めた者には及ばないであろうがな。」

言い合って打ち合っていると、上から大量の剣の雨。

「っ...。つぅっ...。」

すぐに雅は奴から離れるが、降り注ぐ剣を少し食らってしまった。と言っても、「ヒール」ですぐ回復。「ヘルス・オブ・ディバイン」を使うほどのものではなかったのだ。

 武具の雨に時折、魔術が交い、雅はそれから少しずつ押されていく。体のあちらこちらに傷を負い、その度に治癒に魔力を費やし、体力も費やし、剣を杖代わりにでもしないと長く立っていられない程に疲弊し、動きもかなり鈍っていた。

「所詮、人間はそんなものか...。」

そういうマモンはそこで初めて本気を出す。

 奴は背中の翼で飛び上がり、彼女の真上から溢れんばかりの武具を射出。中には爆発物もあって、

「うぐっ...ぐ...つっ...。」

かわしきれない彼女は防御魔法をしながらもかなり食らって、鮮血を地に垂らす。

「『ヒール』...。」

また、雅は回復に魔力を費やし、再び立ち上がった。


 グリモアの森のアリシアは言うまでもなくただ一方的にメッタメッタのメタにされ、プロスペレの草原のルナも近くの低木に背中を叩きつけらていた。

 「ぬぁっ!」

「っ...!」

ルナに迫るサタンの拳。これを彼女は何とかかわし、

「『シューティングスマッシュ』っ!」

と魔力の拳を飛ばす。すぐさま奴は体を庇って防御し、少し吹っ飛ばされながらも最後は振り払って、今度は上から彼女の頭を足で狙う。

「『ディスポーズ』っ...痛ぁっ...!」

すぐさまこちらもと固有スキルを発動するが、勢いまでは消しきれずに地面に体を強打する。

 そこへ容赦のない鳩尾グリグリ。腹の奥から這い上がるような激痛に、

「うっ...つ...。」

とルナは声にならない叫びを発して、体を震わせる。この数分にわたる戦闘だけでも彼女の体にできた痣や傷やは先の数倍に増えていた。それでも何とか手を翳し、

「『ファイアシュート』っ!」

と炎を放ち、距離を離すも、結局は立ち上がる隙に再び、蹴りを食らい吹っ飛ばされるのである。


 「はぁっ!」

「くっ...!」

そして、ルチアのいるドワーフの森(俺が初クエストでお世話になった森)では「フィンの豪雨」に飽きたレヴィアタンが彼女に近接戦闘を仕掛けていた。それも、メイスを使う彼女とフェアな戦いをと原罪ロストで作った棍棒を手にして。

 「きゃっ...うっ...く...。」

だが、棍棒の腕に関してはレヴィアタンが上である。奴の棍棒を頬に食らい、肩に食らい、または腹に食らい、「クリスタルハンマー」で狙うもその前に胸を突かれる。その勢いに押されて、彼女は後ろへ転ぶ。

「フィンの豪雨。」

そこへ奴は容赦なく黒の雨を浴びせ、

「うぅっ...!?プ、『プロテクト』っ!」

と彼女は肩を撃ち抜かれたところで障壁を展開して、他を全て何とか防ぎきった。それから回復魔法で治癒して、立ち上がる。

 ルチアは耐久力、支援力ならレヴィアタンに勝るものの、攻撃力、攻撃手段、戦闘技術の全てが奴に酷く劣っている。例の「宿命・偉大なる命令」における初期コスト0さんみたいな立ち位置であり、ボス級相手に彼女1人ではまともに戦うことなどできるはずもないのである。故に彼女も苦戦は必至であったのだ。

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