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#181 悪魔たちが悪魔の中の悪魔な件

 「俺の原罪ロストを以てすればこやつらを殺すことなど造作もないが、それではベリアルがいたたまれん。こやつらを生き地獄を味あわせてから、じっかりなぶり殺してやるわ。」

悪魔のリーダー格らしき翼の大きさが一番の奴が言う。

「私はこやつらを殺せればそれで言い。殺り方は悪魔長に任せよう。」

「我輩もベルゼバブに同感だ。ルシファーの好きにしたまえ。」

「私も構いませんよ。私の一番の目的は殺す、というよりはあの人らに苦しみを与えてやることでから。」

「俺も同じこと思ってたぞ、ルシファー...。」

その言に残る4体は不穏な言葉とともにて全開一致で賛同。

 なんと、俺たちへの暴虐が決定してしまった。悪魔は悪魔らしく、嗜虐の限りを尽くすようである。


 そして、奴らは戦闘へと移行する。ベルゼバブ(会話部3つめで"おそらくベルゼバブ"は"絶対ベルゼバブ"へ)は巨大な赤の魔法陣を展開し、見覚えのあるもう一方は「ガンド」を後ろに量産、"おそらくベルゼバブ"を"絶対ベルゼバブ"にした悪魔は、

原罪ロスト発動。憤怒の錬磨ラース!」

と言って、著しくステータスを急増させた。残る2体はそれぞれ剣を奪う、生むでその手に持つ。その全てが鋭利でしかも、魔剣のごとく魔力で覆われてすらいる。

 「ちょっと待て!ちょっと待て...!それ、絶対なぶり殺す気0やん!全クリ報酬のチート武器とかでスライムみたいな雑魚敵をネチネチ倒します!って言ってるようなもんだぞ、それ!」

その過剰な殺伐の雰囲気に俺はツッコミを入れてしまう。しかも、久しぶりに関西弁まで使ってしまった。これで俺がどれほど驚いていたのか分かっていただけることだろう。キュィィィッッッ...!というチャージ音ともに魔法陣に光が収束し、「ガンド」が一斉にこちらを剥き、ステータス急増の奴は突進の準備に入り、残る2体はそれぞれ剣を構えた。

「来るわよ。ルチア、『プロテクト』よ!何層にも重ねて私たちを包んで!私も『アイスウォール』で手伝うわ!」

ここで大魔法使いのアリシア、ルチアに指示を出す。これに答えて、

「『プロテクト』、『プロテクト』、『プロテクト』...」

と淡々と障壁魔法が繰り返され、機械的に障壁が量産され、

「『アイスウォール』、『アイスウォール』、『アイスウォール』...」

とアリシアも同じようにして、氷の壁を量産する。

 「『ガンド』、フィンの豪雨。」

「『ガンド』、フィンの乖離。」

「「「ぐぅおぁぁぁっっっ!!!」」」

瞬間、「ガンド」の雨と「ガンド」の光線、あと、殴ると切るが一斉に氷の壁に衝突した。バリバリバリバリバリ...!と壁は面白いように砕け散り、突破した後は一瞬で残るルチアの障壁を破壊した。だが、俺たちは既に「テレポート」で奴らの後ろを取っていてそこに姿はなかった。

 俺と雅は「ブースト」の加速も使ってそれぞれ見覚えのある奴(ベルゼバブじゃない方)と剣を持った奴(奪った方)へ高速斬撃をかましてみせ、その左手を切り落とす。ルナとルチアは重力も借りてそれぞれ「パワードスマッシュ」でベルゼバブを、「クリスタルハンマー」で急増の奴を叩き、少し怯ます。もう1体のリーダー格についてはアリシアが

「ドラゴファイアレイ!」

と唱えて強力な熱線魔法を放つも、奴の

「反射。」

との一言でそっくりそのまま彼女に帰り、しかもその頭を消し飛ばした。

 それを見て俺たちは目を大きく見開き、やがて、瞳は絶望に色に蝕まれていく。その内に悪魔たちが俺たちを切るか蹴るかで殺し、死ぬ間際には俺と雅の切り落とした腕が元通りであるのを確認した。

「やっぱり、なぶり殺してねぇじゃねぇか。」

俺はそう残して、事切れる。他の3人と同時に事切れる。

 俺たちは揃って悪魔に殺された。俺は神様の力で蘇生が可能だが、他の4人はもちろん、不可能。生き返るにしても、その先は元いた世界ではないことだろう。俺は死に際、そんなことも思っていた。()()()()()()


 気付けば俺はペルセウスに会うこともなく目を覚ましていた。切られたはずの腹を触っても手には血がなく、それどころか服も破れてなければ、傷すらない。起き上がって見てみると、皆も同じで戸惑いを隠せていないようだ。即死だったアリシアは自分が死んだことに、一度死んだことに気付いてすらいないのだが。

 続いて、見ると不気味な笑みを浮かべる悪魔たち。

「なるほど、そういう訳で『生き地獄』だとか『なぶり殺す』だとか言ったのか...。」

俺はそれを見て、納得を得る。雅が、

「それはどういうことですの?」

と不思議そうな顔で聞いてくるので、俺は奴らの心持ちを、その悪魔オブ悪魔な行いを説明する。

「多分、奴らの内の誰か1人、もしくは複数人が体を修復できるスキルみたいなもんを持っているんだ。体を修復できるとなれば傷口を塞ぐのも、臓器を再生するのも容易いこと、つまりは蘇生が可能。で、奴らはおそらく、この蘇生を悪用して殺しては生き返し、殺しては生き返しの生と死のループ的な奴をやろうとしてんだよ。だとしたら、ホントに地獄だよ!」

と。

 これにリーダー格はニヤリと笑い、

「ご名答だ、少年。俺の原罪ロスト、いわば固有の能力は傲慢たる創造スペルビア。この世は我が理想に沿うとの傲慢を以てして、現実を意のままに操ってしまうのだ。だから、人体修復や蘇生など朝飯前なのさ。欠点があるとすれば、無から有をを作り出すことはできないということだ。先の剣も自らの腕を媒体に作り出し、同時に体の再生もしてやったに過ぎん。そして、貴様の言う通り、我々は貴様らを殺しては蘇生するを繰り返すつもりでいる。」

と案の定の言葉を投げ掛けてくる。

 「これはマズいですわね。悪魔だからなのかは分かりませんが、あの方たち、全員が狂った面をお持ちですわよ。狂人ほど恐ろしいものはありませんの。」

と雅は言い、アリシアが

「えぇ、そうね。狂ってるくせに理性はあるんだから、尚更タチの悪い連中だわ。」

と賛同。ギュンッ!そんな悪口を普通にかました2人の間を、諌めるように「ガンド」が通過した。

「狂ってると言いましたね。あなた方、人間の価値観からすればそうなのかもしれませんが、我々は悪魔。この程度、狂ってる内に入らないんですよ。」

これを放ったレヴィアタンは彼女たちに抗議する。言ってしまえば、悪魔は多少狂っているのが当たり前、ということなのだろう。

 まぁ、どちらにせよ、奴らは悪魔の中の悪魔な存在。飛んでもないのを相手にしていることに間違いはないはずである。強敵を前にすると、いつも大体同じことを言っている気がするが気にすることではないだろう。

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