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#176 新たな陰謀とビッチの横行が企てられた件

 バリンッ!音とともに四天王フィアマンはその手の水晶を手で握り砕く。

「ちっ、モーガンめ...!まんまと殺られおって!!!アントニーも殺られ、フランも殺られ、奴こそはと思っていたが、とんだ買いかぶりだったようだな!」

と怒りのままに言うと、付き人である魔王軍幹部の一角、魔人ディーノが、

「しかしアドナイ、奴らは既に幹部を残りのか2人までに追い詰めた強敵。我々は少し侮りすぎていたのではないか...?これは鎧番人を出すべきであろう。」

と諭す。

 これに応じてフィアマンは

「そうかもしれんな...。奴らは野放しにしていては、魔王軍どころか帝国軍まで脅かされるかもしれん。」

と頷き、念をある闘技場跡の地下に陣取る鎧番人プロテギスへと送る。

 「ギウスよ、聞こえるか。」

『もちろんであります、我が主。』

「攻撃を許可する。無差別に、だ。そして、あの異邦者どもの一行をとことん打ちのめせ。お前には到底及ばぬかもしれんが、魔王軍を追い詰めるだけの強さはある。既に三大英霊も殺られた。だが、奴らはあくまでも人情に厚い偽善者だ。数百人も殺せば、お前の元に来ないなんてことはないだろう。」

『承りました。』

念と念は飛び合い、これからのことが決まった。この思念伝達にはもちろん魔力を使うが、使い魔が世界のどこにいようと一定の魔力で送信できる。受信については消費魔力なし。これが、フィアマンの固有スキル「サモン・ノンツール」の副産物でもあった。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 その一方、悪魔の住まう魔界のある議場。長机を囲む7つの椅子は既に2つが空席、残りの椅子に座る5体の悪魔は某ゲンドウのあのポーズをしながら、それぞれ床に両肘をついていた。

 「我々七つの大罪は2人の悪魔を失った...。怠惰担当ベルフェゴールと色欲担当アスモデウスだ。」

5人の内の一番偉い奴、つまりは前略ルシファーが某でっす!首が90°みたいな感じでいなくなった悪魔を名指ししてそう言った。

 そんなのはともかく、これは奴らにとって大幅に戦力の低下する一大事であること間違いはなかった。

「ルシファーよ、アスモデウスなどいてもいなくても同じだったろう。」

「同感だ。あんな変質者など...!」

「ふん、勝手な行動をするからだ...。」

「そのわりに美形なんですよね、あの人って。私はあの顔だけならとても羨ましいと思います。顔だけならですけど。」

と言っても、その内の色欲担当については大不評。前略のベルザバブ、前略のサタン、強欲のマモン、前略のレヴィアタンがこまで言うのだから奴が嫌われていることに間違いはない。

「それも...そうか...。」

最終的には残るルシファーまで納得するこの始末である。

 そして、それからの会議の結果、奴らはこぞって人間界へと出向くこととなった。目的はベリアルと一応アスモデウスの仇討ち、ルシファーの持つ水晶には悠人たちの姿が映っていた。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


 さて、せわしなく今度はその悠人たちへと場面が移り変わる。悠人の寝台には悠人だけでなく、もう1人誰かがいるようであった。なぜなら、山が2つもある。その誰かの体表にも山が2つある。

 その山の感触を俺は夢の世界で猫の肉球として味わっていた。柔らかく、それでいて弾むような感触に俺はしばらく和んでいた。その感触がやけにリアルだなと思って、目を覚ましたのはそれからのことである。

 「...。」

目の前の光景を見た瞬間、俺は言葉を失った。横にはルナが寝ていて、手にはその豊満な胸が触れている。彼女は

「やん♥️」

とわざとらしく言った。

「『やん』じゃねぇよっ!何で勝手に俺と添い寝してくれちゃってんの!?」

「んー?悠人ぉ、おはよぉ。」

「澄ますな、この変態。」

「でも、いきなりおっぱい揉んで来た悠人の方が変態だと思うよぉ。」

「うるせぇ、お前が横に寝てたせいだろ。不可抗力だ。」

俺はお説教タイムに入るも、まだゴネる。

 「自分から添い寝に誘っておいて、起きたらおっぱいを揉んでいたってのは不可抗力とは言わないんじゃなぁい?そもそも、誘わなかったらこんなことは起こらなかったよぉ?」

しまいには俺に濡れ衣を着せてくる。

「ホント、お前の記憶はどうなってんだ...!」

吐き捨てるように言ってやっても、

「その言葉、そっくひそのままお返しするねぇ。」

とまだ濡れ衣を着せるのを諦めない。

「頭ん中、医者にでも見てもらった方が良いんちゃう...?」

俺は今度はガチのトーンで淡々とツッコミを入れた。

 これには流石に慄いたかルナは萎縮して、

「ご、ごめんなさぁいぃ...。男の子と寝るのってどんな感じかなと思って...。」

「まぁ、分かったらよろしい...!こっちこそ、すまんな。頭ん中、医者に見てもらえなんて酷いこと言っちゃって。お前の場合、これが平常運転だもんな。でも、少しは自重することを覚えた方が良いぞー。」

「あれぇっ!?」

その謝罪に対して俺が言った言葉は彼女をかなり当惑させたのうだ。そう、脳外科に見てもらうまでもなく、この子は救いようのないクソビッチである。本当のことを言っただけなのにこんな反応をされるとは、正論って時に人を困らせるんだなと改めて実感した。


 そして、ルナは自室へと去り、俺もそのままグッスリ眠り、新しい朝が来た。俺は外の小鳥の囀りで目を覚ます。

 1階に下りると、既にルチア手製の朝食が食卓に並んでいた。今日はトーストとコーンスープ、ベーコンサラダである。もちろん、今日も全て美味であった。

 全員食べ終われば、俺たちは屋敷を後にし、ギルドにやって来る。掲示板には今日も主に初級、中級のクエスト依頼書が貼られていてその中でも「古城フェニクスブルクのスライム退治、及び掃除」という青色スタンプのクエストは目を引いた。依頼主は観光業界の方々らしく、大事な遺産を守っていきたいとのこと。ただし、景観を崩さないために修理はするなとのこと。

 ちなみに、このフェニクスブルクはアスモデウスとの一件でお世話になった古城メルクマール、そして、未だ見ぬモナルキーア郊外ラバンリュの古城レヴォルテラントと並んで三大古城に数えられている。

 そんな討伐&掃除クエストの報酬は700万コルド±。「±」は依頼主の審査によって定額からいくらでも跳ね上がったり、崩れたりもするという意味らしい。

 実はかなり前から貼られてあって、皆に敬遠されていたらしいが、なんか暇だし、皆がOKを出してくれたしでこれを受けることにした。

 俺は依頼書を持って、カウンターまで持っていくと、

「ありがとうございます!ずっと、受けてくれる人がいなくて困ってたんですよ。依頼主さんからの催促も絶えなくて...。」

とそこの人が言って、手続きをしてくれる。

「受けてくれる人がいなかったでことは攻める人しかいなかったってことかなぁ、悠人ぉ?」

こいつ、さては国語が苦手だな。だって、文脈的にその対義語は絶対、違うだろ...。俺はそんなことを思いながら、4人を率いてギルドを後にした。

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