#16 殺そうとした相手と友達になった件
≪ステータス≫
新嶋悠人-Lv.3(残り150経験値)
体力/320
生命力/320
魔力/230
筋力/460
知力/580
素早さ/300
器用さ/130
幸運/1
状態異常/アカガエル化
虫を食って殺すだけでも、少しずつ経験値がたまっていくようだ。そのおかげで、食事していただけなのに、進化から7日目にはレベル3まで、上りつめた。
そして、相変わらずあのメスガキ(蛙)のストーカー被害にあっていた。
「悠人君!私の愛に答えてください。」
絶対、嫌だ。俺は、跳びながら逃げた。
やがて、俺はストーカー被害を利用して、進化する方法を編み出した。今の俺に決定打を与えるスキルはない。かなり、グダグダになりそうだが、塵も積もれば山となる。どんなに、弱い攻撃でも、何度も繰り返せば強力な攻撃に匹敵する。倫理などと言う物はかなぐり捨てた。
「どうか、私の愛に...。」
「仕方ない。応えてやるか。」
俺はため息をついてから、そう言う。
「本当ですか!?」
その瞬間、メスガキの目が輝いた。
「ただし...」
「ただし...?」
メスガキは相槌を打つ。俺は、
「俺の独断と偏見で愛情を表現する!"愛情とは本来"、こうあるべきなのだぁぁぁぁぁ!」
俺は咆哮した。
「へ?」
彼女は硬直する。まぁ、まるっきり、嘘っぱちなのだが。
ペチン!ペチン!ペチン!俺は思いっきりビンタをする。何度も何度もビンタをする。
「何するの!」
メスガキもビンタをしてくる。ペチン!
「こんのっ!」
ペチン!
「痛いっ!」
ペチン!
「こっちのセリフだ!」
ペチン!
「くっ!」
ペチン!
「おりゃっ!」
ペチン!
「シュ、シュールね。」
メスガキはビンタを止めて、そう言う。
「そ、そうだな。」
同感。蛙同士がペチンペチンとビンタをしあうなんてシュール過ぎる。しかも、かなり弱々しい。こんなビンタは"真のビンタ"ではない。思いっきりやったが痛みなど無いに等しい。前の世界で、俺は一度、ビンタをされたことがある。そこには、ピンク色の痕が出来た。それは、手の形そのものだった。かなり痛かった。それに比べたら、こんなビンタは可愛い物だ。
そして、何故か分からないがその日から俺はそのメスガキ...いや、メス蛙?それも失礼だな。その子、だな。俺はその子と友達になっていた。殺そうとした相手だと言うのに。
その内に、その子を進化の道具にしようなどと言う、非倫理的な考えも消えていった。さらに、彼女を「言葉しずる」と名付けた。「言葉しずる」とは、俺の前の世界での女友達の名前だ。俺はその子を、彼女に匹敵するくらい、大事だと思っていた。友人(人?)としての好意を持っていた。決して、異性として好意は無かったが。
あと、勘違いされては困るので言っておく。俺はツンデレなどではない。まず、男にツンデレを求める人など少ない。相手は人でないのだが。大事な事だからもう一度言う。俺はツンデレではない。そうムキになって否定する所が、ますますツンデレなのだが。




