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#12 あの女と再会してしまった件

 俺は、あの隙間で一夜を過ごした。あの時、俺が倒した超大型は蟻に囲まれ、所々、穴が空いていた。御臨終、御臨終。

 そして、次の日、俺は外へ出て、

「よっしゃ!ゴキブリ見つけて、さっさと進化だ!今度は、水辺で!」

気合いを入れて、歩きだした。

 「ん?あれは...。」

その途中、俺はふと、後ろを振り向いた。そこには、虫取り網と虫取り籠を持った女がいた。その籠の中には何匹かゴキブリが入れられている。彼らはその中で暴れまくっている。一目で分かった。あの女だと。

 その瞬間、俺の脳裏にあの不気味な笑みと残忍な目が過った。そして、あの滑らかな曲線と、ふっくらとした...って!

「か、考えてはダメだ、悠人くん。」

俺は自分に言い聞かせる。また、体が熱くなった気がした。

いや、思い出にふけっている場合じゃないでしょっ!今、どんな状況か分かってんのか、ゴラァァァァァッッッ!俺は、自分に腹を立てた。

 「あっ、オワタ...。」

俺はダッシュで向かってくる女を見て、そう囁いた。

「見ぃぃぃつぅけた!」

彼女はほくそ笑んで、虫取り網を振り上げた。まだだ!まだ、諦めないぞ!松岡修造のあの言葉を思い出せ!諦めんなよ!某バスケ漫画の安西先生の言葉を思い出せ!諦めたらそこで試合終了だ。俺は、「ハイスピード」を唱えて、壁に上って、屋根の上に急いだ。

 「『ハイジャンプ』っ!」

女はそう唱えて、屋根の上へ上がってきた。本気かよ!?俺は隣の屋根の上に移った。彼女も着いてくれ。

 「とうっ!」

ピョーン!

「待ちなさいよ!」

ブン!

「危ねぇ!」

ピョーン!

「おりゃぁぁぁぁぁ!」

ヒューン!

「『ハイスピード』っ!からの、ジャーンプッ!」

シュッバッ!ピョーン!

「こんにゃろー!」

ブン!ブン!ブン!

 それから、色々あった。が、俺は何とか女から逃げ出せた。他人の家に入るという形で。これだけ、聞けば不法侵入と思われるかもしれないが、俺はゴキブリだ。誰の家に入ろうと、ゴキブリの自由なのだ。いっそのこと、ゴキブリのままで生きていこうとも思った。だが、それをあのペルセウスが許すわけないよな。結局、魔王を倒さねばならんのか。俺は深い溜め息をたいた。

 「まぁ、取り合えず...悪は去ったぞぉぉぉぉぉ!」

俺は家具の裏でピョンピョンと跳ねまくった。本当の悪が現れたのはそれからのことだった。

 俺はふと、視線を感じた。それも、殺気に溢れた嫌な方の視線だ。俺は背筋が凍るようだった。触角にヤツが当たっている。それは8本の長足と8つの目を持つCD大の巨大蜘蛛。すなわち、"あの方"であった。

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