#10 偶然突っ込んだ川で無双が始まった件
≪ステータス≫
新嶋悠人-Lv.3(残り150経験値)
体力/340
生命力/340
魔力/200
筋力/584
知力/330
素早さ/350
器用さ/100
幸運/1
状態異常/ピラニア化
活魚馬車の中の魚たちを食らうことで、俺はレベル3までに上り詰めた。が、幸運指数は相変わらずの1。
「不幸だ...。」
俺は悲観した。が、この時、俺は知らなかった。ピラニアがこの世界でどれぐらいの強さを誇るのかを。
俺はしばらく、川で泳ぎまくった。何これ、楽しい!水の中を簡単にスイスイーと泳げてしまうぞ、これ。あまり、体力使ってる気がしねぇし。俺、あっちの世界ではクロールしか泳げなかったからな。平泳ぎとか、バタフライとか、背泳ぎとか、ドルフィンキックとかみんな出来てたのに、俺はクロールだけだったからな。あれ、速いけどかなり体力使うんだよな。だから、長く泳ぐことは出来ない。平泳ぎは体力も使わないし、息継ぎも簡単なんだけど、俺は足の動かし方が全く掴めなかったよな。気付けば、
「いいね、いいねぇ!最っ高だねぇ!」
どっかの最強さんのようなことを言っていた。
そして、俺はついに他のピラニアに会った。
「何だ?何だー?新入りかー?」
「おぉ!新入り!」
「歓迎するぞ、新入りぃ!」
彼らは、そう言ってくる。俺は、
「どうもー!どうもー!」
と言いながら泳いでいた。すると、奥の方からでっかでっかいピラニアがお見えになられました。それはそれは巨大なピラニアでありました。
「お前、新入りだな。早速だが、お前の腕を見せてもらうぞ。」
巨大ピラニアは野太い声で言ってくる。俺は、少し震えながらも、
「お、おぅ!」
そう返事をし、
「さぁてと、行くぜぇ!」
と気合いを入れる。
「どこへ行くつもりだ。」
巨大ピラニアはさっきと同じ野太い声で俺を呼び止めた。俺は一旦止まって、
「へい?」
と、首を傾ける。
「お前は今まで、1人で狩りをしてきたのか?」
ですよねっ!おかしいですよねっ!
「いや...その~...アレですよ。アレっ!」
「アレとは?」
「アレは...アレですよ!」
「無駄にカッコいいな。イキッてんの?」
おぉ!この方、「イキる」ってご存知なのですね!って、そんな場合じゃないっ!
どうしよう、マジで説明に困るのだが。ゴキブリから進化したと言えんし。言っても、信じてもらえないし。今、考えてみれば、ピラニアって群れで狩りをする系(系ってなんだ?)の肉食魚だったじゃないか!この世界でもそれは同じだろ!そうじゃなきゃ、「シグナル」ってスキルって何のためだって話だよ!何で、そんな簡単なことに気付けなかったんだ!?俺のバカっ~!
まぁ、考えたって仕方ない。俺は、
「とにかくっ!作戦を考えましたから!」
「ほぅ...。どんな作戦だ?」
巨大ピラニアは野太い声で聞いてくる。
「えっと、まずあなた様が獲物に忍び寄ります。ですが、獲物はすぐに気付いてどこかへ退散するでしょう。その瞬間、誰かが噛み付きます。」
「ほぅ。で?」
「そして、そこへみんなが飛びかかります。」
「なるほど。お前、頭良いな!」
野太い声で彼は俺を誉めてくれる。そりゃぁ、元人間ですから!
こうして、作戦は結構された。もちろん、狩りは成功。ピラニアは特攻隊。無計画に突っ込んで噛み付く。何だか、突っ込む前に、「I'm going!」だとか「Good luck!」だとか、そんなカッコいいやり取りをしていそうだ。だが、俺が編み出した作戦は確実に獲物を捕まえられる方法。
縄張りに帰ると、
「お前の名前は何と言う?」
巨大ピラニアが聞いてくる。
「新嶋悠人であります。」
俺は答える。すると、彼は
「そうか。気に入ったぞ、悠人よ。」
と言ってくれる。
「ありがたき、幸せ。」
俺がそう返すと、
「悠人ばんざーい!」
「ばんざーい!」
と、みんながクルクルと活発に泳ぐ。喜びをひょうげんしているようだ。
それから、俺たちはこの作戦で、狩りに成功しまくっていた。俺のレベルも15まで上り詰めた。戦争時代の日本のように、調子に乗るつもりは無かった。だが、この無双状態に有頂天は不可避だった。なぜなら、俺の編み出した作戦により、何度か魚の群れをも全滅にさせたこともあるからだ。これは、三國○双ですか?




