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世界を巡る物語り  作者: 迷子の人
episode1 本音と建前が逆な世界
4/5

少女、世界を巡る

「相変わらずクセェ口してんな!おい!」

「テメェの腐った魚みたいな顔よりはマシだけどな!」


「やっぱり凄い世界だ。ここも。」

街中、罵詈雑言が飛び交っているけれど、誰一人悲しい顔をしている人はいない。

みんなニコニコ笑っている。口からは衣の弾け飛んだ言葉が飛び出す。すごい。


そういえば、どこかの誰かがこんな事を言っていた気がする。

「本音は決して口から出ない。本音は行動に現れる。」

確かにその通りかもしれない。黙る事は出来ても、涙を止めることはできない。


この世界は、いわば「本音と建前が逆な世界」なのかもしれない。

思ったことは口にすぐ出せるし、表向きな事は行動に現れてくる。

知らない人が見たら「すごい口が悪いけど優しい人」に見えるんだろうな。

だとしても、腐った魚みたいな顔っていうのはひどいんじゃないのかなぁ。 

でもいいんだ。それがこの世界の姿なんだから。


町の人の服装は割と普通だ。町の様子も割と普通。食事も割と普通だ。

変わっていることは町の人の口調だけ。

いいなぁ、こういう世界。本音が言えて、後は普通。

世界に善悪はないけれど、私にも好き嫌いぐらいはある。

ここは割と好きな世界だ。いや、かなり好きかもしれない。


そんな風に考えながら町……いや「世界」を歩いていると、ふと割れた窓ガラスが目に入った。それがただの窓ガラスだったら、私は見向きもしなかっただろう。

でも「オレンジ色」だった。その窓はオレンジ色だったんだ。

すごい嫌な予感、そして淡い期待。あるはずのないことを祈る、淡い期待。

ガラスの破片を合わせていくと、オレンジ色は円の形になっていった。

脳裏をよぎる嫌な予感。そして、あふれんばかりの期待。

ついに見れるかもしれないんだ、こんな「世界」が。


ガラス片は「太陽」を形作った。それは本当に「太陽だった」


「こんな世界、あったんだ。あってもよかったんだ。」


あまりにも衝撃的だったから、私はすぐに宿に戻って、そして「日記を開いた」

「今回は物語りどころじゃないかもしれない。すごい不安だけど、わくわくしてる。初めての世界。今まで見たことのない世界。まるで、決して知られてはいけない秘密を知ったときのような。秘密の暗号を見つけた時のような。殺人現場を目撃してしまったような。そんなわくわく。」


少女はそう言うと、また「日記を開いた。」

小説書くの楽しいですね。

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