六話 主人公登場!王道スタート☆
あはは・・・。
僕嫌われちゃったんだけど・・・。
へこむなぁ・・・・・
っていうのは嘘でぇ☆
いや、だって、別にそんなに思い入れないし。正直どうでもいいし。
あぁそうそう!
今日はやっと主人公が来るんだって!やったね☆
出迎えの役は副会長がやるんだってさ!
っていうか本当に王道なんだけどw
はぁー・・・やだなぁ。
俺の死期が早まるじゃん。
主人公には人を見る目は確かにある。
しかしながら、主人公は愛され続けてきたためにこの世の人間全てに愛されていると勘違いしている節がある。
それに加え、被害妄想やら自意識過剰やらの思い込みが激しいのでうざったい。
殴りたくなるくらいにうざったい!
幸い、僕の病弱設定が役立ったのか、僕はほとんど保健室通いなので、特に問題はないと思う。
流石に保健室で騒ぐなんてことはしないだろうし?
分かんないけどw
っていうか、王道君まだぁー?w
いやだって!
6時から正門のところの茂みに隠れてから今もう7時なんだもん!
7時半からは一般の生徒が登校してくるからそれまでには来ると思うんだけど。
《ガシャッ》
おっと?この音はもしかして?
黒髪ボサボサのどこで売っているかも分からない分厚い瓶底眼鏡の青年が学園の塀を登っている・・・。
ということは?
王道ktkr!!
やっと!
やっと念願の王道が!
「そこの生徒!何をやっているのですか!」
「え?あ、うおあああ!?」
《ドサッ!》
副会長ベストタイミーング!
本当は落とさずにキャッチしてほしかったんだけどね。
だって副総長なんだから余裕だろうし。
あ、言ってなかったね。
生徒会メンバー俺以外全員、灰の月っていうのに入ってるんだよ。
主人公は蒼の泉ってとこで藍姫っていう名前で総長やってるし。
そういえば、二、三ヶ月前から僕も情報屋やってるんだぁ。
じゃないとお金を貯金からおろさなくちゃいけなくなるからさ。
貯金のお金は僕のじゃなくて兄様のだからさ?
「大丈夫ですか?新入生の矢埜綾芽で間違いありませんか?」
「だ、大丈夫だ、で、です!あと、間違いない・・・です!」
副会長の愛想笑い腹立つー!
あの不完全さがちょっと!
あと、王道君はやっぱり敬語苦手なんだねw
「名前教えろ!・・・です!」
「え、あ、あぁ、私の名前は鈴木大翔です。よろしくお願いします。あと、その敬語しなくていいので。」
「お、おう!サンキュ!なあ!大翔はなんで変な笑顔作ってんだ?俺の前ではそれやめろよ!」
言ったぁぁぁぁぁぁぁあ!
言ったな!?今王道言ったな!?
「私の笑顔を見抜くとは・・・気に入りました。」
「はっ?んんっ!」
よっしゃキス入りましたー!!
しかもDのつくやつやってません!?
カメラで撮りたいけどそれやるとバレるから目に焼き付けておこう!
「な、ななな何すんだよ!?」
「ふふふ、さて、理事長室に行きましょうか。」
「え?あ、お、おう。」
あ、二人とも行っちゃった。
まいっか!どうせ後でまた会えるんだし!
にしてもDキス・・・えへへ(*/ω\*)
ってああ!もうそろそろ一般生徒来ちゃうや!
教室行っとこ!
いやぁー!ゲームでも見てたけど実際に見るとやっぱりいいね!
副会長の作り笑い、とっくに見破られてるんですけどねw
親衛隊新参「副会長の本当の笑顔を見てみたいです!」
↑ね?