いつもどおり
初夏。照りつける太陽もその顔を沈ませ、あたりは真っ赤な夕日で染まる。
夕暮れだ。
僕はいつもどうり、開始の合図を送る。
「今日も夕暮れ探検隊、はりきっていこー!」
『おー!!』
僕に続いて[夕暮れ探検隊]のメンバーが声を上げる。
ーーーーーー画面の向こう側で
「みなさーん、今日はどうします?」
<コイツラ、潰ス・・・>
「おやおや、OMEGAさん今日はいつにも増してヤル気マンマンですな~」
OMEGAと呼ばれた男はすぐさま返答する
<フッ、そんなこと無いデスヨ>
明らかにいつもとは少し違う雰囲気を醸し出すOMEGA。他のメンバーの口は固く閉ざされている。
そんな中始まる[夕暮れ探検隊]のスカ●プ会議。
通称[テレビ電話なのにみんな顔隠してテレビ電話の意味無くね?会議]
最新の技術をふんだんに利用するのが僕らのやり方だ。
ここでメンバーの一人が軽い口調で口を開く。
〔あー俺もOMEGAに賛成だわ〕
<ん?>
〔っほー!怖い怖い!〕
OMEGAは画面上では顔は能面で隠している(やはりテレビ電話の意味が無い)がそこから放たれる一句は何か心を抉ってくる。
OMEGAと軽い口調の男をやりとりをぼんやり眺めていた僕だったが不意に
【どうします?隊長。私もOMEGAさんの案で構いませんが・・・】
メンバーでの紅一点、ショコラだ。
「おおおーショコラ!てめーらうるせーショコラ様の意見を聞けー!」
【えっ?あ、あああんた達に意見なんか無いわ!バッカじゃないの、フンッ!】
くまの●ーさんを被りながらショコラが言った。最近流行のツンデレだが、僕以外にはあんまりデレない。ツンツンしっぱなし、まぁそれは美味しいことだ。
〔いよっツンデレ!〕
<いよよっツンデレ!>
なぜかOMEGAの機嫌が治った。僕はそれを見て一度 休憩 の文字をカメラに押しつけ、お気に入りのレモンティーを啜った。
休憩を挟んで会議が再会した。
特に話に進展は無く、みなOMEGAの案に賛成し、後はここの趣味の話などで暇を持て余した。
「さてと、はじめる??」
<分かった。サーバーへダイレクトにアタックしてやる>
妙なことを言いだしたと思うとOMEGAはスカ●プから落ちた。
〔OMEGAやっちまえー!〕
【べ、別に頑張ってとか思ってないから!むしろPCぶっ壊れちゃえばいいのよ!】
なぜかみな声色がさきほどとは違う。何か新しい物を与えられ、はしゃぐ園児のようなものが感じられた。
「さて、OMEGAさんの仕事は速い。僕らも戦闘状態に入るよー」
【〔了解〕】
アタック、戦闘など攻撃的な言葉を発すると、OMEGAに続いてみな姿を消した。
ーーーーーー闇サイトを潰すためにーーーーーー