表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/10

【プロローグ(全10回)】山の上の旧診療所・踊る二人

 街からは少し離れた、低い山の頂上に、小さな洋館がある。

 かつては、診療所であった。独り暮らしの男性医師の、住居兼仕事場で、長い年月、開業していた。評判はまずまずだったらしい。医師の名は、柔曽じゅうぞといった。

 が、年老いたため、だいぶ前に引退し、診療所の看板も下ろしている。

 今や、ここを訪れる者もいない。


 ところがであった。

 ある時期から、ここの洋館にまつわる、奇妙なうわさが流れ始めた。

 雨の夜になると、初老の男と、長い黒髪の美少女が、手を取り合って、庭で踊っているというのだ。


 初老の男というのは、恐らく、柔曽じゅうぞのことであろう。ただ、少女の正体は謎であった。柔曽はずっと独身であるため、娘や孫ではなかろう。

 目撃した人の話では、少女は白いワンピース姿。すらりとスタイルも良く、ひと目見たら忘れられないほどの美人であったそうな。


 雨に濡れることも気にせず、二人は、それはそれは楽しそうに、庭の灯りのもとで、いつまでも踊り続けていたということである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ