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22 廃プレイヤーを退治せよ

「クロノス? お前が首謀者か?」


「だったらなんだよ」


「なんでこんなことするんだよ」


「何百万も課金したゲームが終わる気持ちがてめーに分かるかよ」


完全に逆恨みじゃないか。


「課金は自己責任だろう。今まで楽しませてもらった恩を仇で返すのか」


「はん、俺は善良なプレイヤーじゃないんでね。サ終するくらいなら俺の手でぶち壊してやる」


通常、街にモンスターは来ないし建物も壊すことはできない。


何かしらのチートを使っているのだろう。


「その前に邪魔者を片付けるか」


クロノスが武器を構えた。


クロノスの職業はアサシン、しかも廃課金プレイヤーである。


瞬殺されないように、カウンター魔法を使う。


しかしクロノスはカウンター魔法の影響を受けない状態異常攻撃をしかけてきた。


麻痺、毒、混乱、ありとあらゆる状態異常攻撃を食らう。


頭痛と吐き気が襲ってくる。


徐々に蝕まれる体力。


意識が朦朧としてきた。


ここで死んでしまうのか。


「とどめだ」


クロノスが武器を振り上げた。




目が覚めると王都リベルタスの広場にいた。


広場はリスポン地点である。


とりあえず死んでもリスポン地点に戻ることが分かってよかった。


「冒険者! あんた死んだの?」


フェレスが驚いている。


ルーナ姫や粉雪たちも駆けつけてきた。


「みんな聞いてくれ。首謀者はクロノスだ。あいつ、ゲームを壊そうとしてる」


どよめきが起こった。


クロノスは街全体を壊しに来るだろう。


みんなで戦っても、廃課金プレイヤーのクロノスに勝てるかどうかは分からない。


「一旦リベルタスから逃げよう」


今は解決策が思いつかない。


逃げている間に考えよう。


「待ってください冒険者」


GM(ゲームマスター)のエシャロットが現れた。


「この改良型ステッキを振ると、プレイヤーデータを削除できます」


出た、恐ろしいアイテム。


「というか、GMならそんなことしなくても削除できないんですか?」


「バグで削除できないみたいなんです」


デジャヴ。


増殖バグの剣を壊すときもそんなこと言ってたよね?


「ただ、クロノスにちゃんと当てないといけません」


あいつの動きは俊敏だ。


確実に当てるにはどうしたらいいだろう。


「やまさん、みんなであいつにあれすればいいんじゃない?」


粉雪が何か思いついたようだ。


「あれって?」


粉雪が皆に説明した。


確かにその方法なら一瞬動きを止めることができる。


「ミスったらまた死ぬことになるけどな」


「どうせリスポン地点に戻るだけでしょ」


フェレスが鼻で笑った。


このゲームの命運は俺にかけられた。

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