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19 【メインストーリー第4章】BOTの親玉

フォルトゥナの塔に着くと、数十人のアサシンがうろついていた。


プレイヤー名はローマ字の羅列、武具屋で買えるテンプレ装備、どこからどうみてもBOT(ボット)だ。


「気味が悪いわね、早く消し去りましょ」


「ちょっと観察してみてもいいか」


アサシンたちは加速スキルを使いながら敵を倒している。


(アサシンより魔法使いの方が効率いいのにな)


他にもプレイヤーが数人おり、やはり火力面で競り負けている。


レアアイテムが目的ではないのだろうか。


「じゃあステッキ使ってみるか」


BOTに向かってステッキを振りかぶる。


するとBOTが徐々に消えていく。


「マジックみたいですわね」


ルーナ姫が感心している。


BOTを追いかけまわしては、ステッキを振る。


10人、20人と消していくが、どんどん湧き出てくる。


GM(ゲームマスター)がステッキも研鑽(けんさん)度があると言っていた。


上がるとアウルムの剣の時のように一気に消せるのだろうか。


「あっ」


誤ってプレイヤーにステッキを振ってしまった。


が、消えない。


BOT以外には効果がないようだ。


「何ですか?」


「あ、なんでもないです」


不審に思われてしまっただろうか。


気を付けなければ。


「ちょっと疲れたから休憩してもいい?」


「いいわよ。今日もお菓子を作ってきたわ」


最初は生意気だったのに、今は癒しの存在だ。


なんだかんだ言ってフェレスも冒険を楽しんでくれているのだろうか。


休憩エリアにBOTがやってきた。


体力回復中なのだろうか、動きはない。


「こんにちは」


話しかけてみた。


「BOTなんだから話しかけたって意味ないでしょ」


フェレスの言う通りか。


「ホメ」


返事があった。


「ホメってなんだ?」


フェレスに耳打ちする。


「知らないわよ。文字化けじゃないの」


それ以降の会話はなかったので消し去った。


「さてBOT退治に戻るか」


2時間ほど振り続けると身体が熱くなってきた。


「研鑽度上がったかも」


「まぁ♡ 何か決め台詞をお願いしますわ♡」


すごい無茶ぶりだが気分も高揚しているし乗ってみるか。


「ホメ――――――!!」


ステッキが光り、BOTが次々に消えていった。


「いやホメって」


フェレスが噴き出した。


「さすが冒険者様♡ お見事ですわ」




王都リベルタスの運営管理局に戻ってきた。


「冒険者、BOT退治お疲れさまでした」


GMのエシャロットが頭を下げた。


「しかし、1つ問題が」


「どうしたんですか?」


「掲示板に晒されています」


「え!?」


エシャロットに掲示板を見せてもらう。


BOTにステッキを振りかぶっている俺の画像。


『BOTにずっと付きっきりで、ドロップ品を回収している模様。BOTの親玉』


とコメントされている。


「いやむしろ駆除してる側なんですけど!」


「まあお気になさらず」


「なるわ!!」


こうしてメインストーリー第4章をクリアした。

ホメと掲示板に晒されたのは実話です。

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