16 【メインストーリー第3章】爆発
「そういえば名前はなんて言うの?」
「フェレスよ」
「名前まで可愛いですわ~♡」
またルーナ姫が抱きつこうとしている。
「やめなさい!バリア張らないわよ」
「フェレスってどんな魔法が使えるんだ?」
「あたしは支援魔法中心よ。攻撃魔法も使えるけど、とどめは刺せないから当てにしないでね」
「支援だけでもありがたい。よろしく頼む」
廃棄物処理施設の地下へと進んでいった。
地上とは違う種類のモンスターがうろうろしている。
地上はゴミをモチーフとしたモンスターだが、地下は爆弾系のモンスターだ。
「下手に攻撃すると爆発するから凍らせよう」
見つけ次第フリーズを食らわせる。
「いつからこのモンスターは出てきたんだ?」
「先週くらいかしら。アウルムの剣からマナの反応があって、様子を見に行こうとしたらこいつらがいたってわけ」
「剣も削除できないみたいだし、謎だらけだな」
アウルムの剣が保管されている部屋の入口付近に、モンスターが集まっている。
「扉の前で凍らせると中に入れないな」
「私が歌で引き付けますので、その隙に凍らせてくださいまし」
ルーナ姫の歌はモンスターのヘイトを集めることができる。
「バリア張ってるから、万が一爆発しても大丈夫よ」
「それは嫌ですわ~!」
「ルーナ姫、よろしく頼む」
ルーナ姫が歌い始めた。
モンスターがぞろぞろと動き始めた。
ルーナ姫に近づいたモンスターから、フリーズを食らわせる。
10 体凍らせ、残りは 1 体だ。
が、スキルが出ない。
「あれ?」
MP が枯渇してしまった。
ドォーーーンという激しい爆発音が轟く。
モンスターがルーナ姫に当たってしまったのだ。
「ひどいでずわぁ…」
口から煙を吐きながらルーナ姫がぼやいた。
「すまん!!今度好きなもの奢るから許してくれ」
MP の枯渇癖を直さないとな…。
「バリア張っててよかったでしょ」
「よくありませんわ!!髪も服もボロボロですわ!」
「も~、しょうがないわね」
フェレスが治癒魔法を唱える。
ルーナ姫の姿が元通りになった。
「さすが私のフェレス様♡」
「いつからあんたのものになったのよ」
なかなかいいパーティになってきたのではないか。
これでようやく中に入れる。
アウムルの剣を拝見しよう。