13 【メインストーリー第2章】海鮮料理を食べまくる
ルーナ姫と共に海底遺跡へとやってきた。
プレイヤーもいないしトレイン狩りするか。
トレイン狩りとはモンスターのヘイトを集めて引き連れながらダンジョンを進んでいき、ある程度まとまったところで倒す方法である。
一気にたくさんのモンスターを倒すことができるが、他にプレイヤーがいる場合は迷惑になる可能性もあるので注意しないといけない。
「ルーナ姫は俺の後ろに隠れてて」
「何を言ってますの? ここは私にお任せくださいませ」
そう言うとルーナ姫は歌い始めた。
その独特の不協和音に、苛立ったモンスターたちが集まりだした。
プレイヤーだけでなくモンスターにも不人気だなんて、ちょっと同情してしまう。
本人はまるで気づいていないようだが。
大量のモンスターを引き連れて、どんどんダンジョンの奥へと進んでいく。
「こんなところですわね」
歌い終わるとともに持っていた傘を開く。
傘から銃弾が連射され、大量のモンスターたちが一瞬にして倒されていく。
「魔法使い系かと思ったらガンナーだったのね」
「多少銃の心得があるくらいですわ♡」
「それに、日傘は乙女の必須アイテムですもの」
まさか傘が銃だなんてスパイみたいだな。
ルーナ姫が十分戦力になると分かり、二人で遺跡中のモンスターを倒しまくった。
「これだけあれば大丈夫だろう」
「もうお腹がペコペコですわ」
俺たちはたくさんの海鮮モンスターを回収して、海底遺跡を後にした。
「ポセイドンの素焼き、マンイーターのカルパッチョ、タマテバコノツカイの酒蒸し…どれも絶品ですわ~♡」
テーブルマナーはまさしくお姫様のそれだが、ありえない量の海鮮料理が口に運ばれていく。
大食い大会にでも出たらどうだろうか。
「いっぱい食べたら眠くなってきましたわね。次のメインストーリーはメメント森で森林浴なんていかがかしら」
「全然冒険になってないじゃないか」
こうして今日もお姫様に振り回されるのであった。