12 【メインストーリー第2章】海底都市マーレ
メインストーリー2章を進めるため、クエスト受注リストを開く。
『メインストーリー第2章:ルーナ姫と海底都市マーレへ向かう』
「2章ってこんなのじゃなかった気がするんだが」
「冒険者様、人は世界が終わると知ったら何をすると思いますか?」
「え? なんだろう」
「美味しいものをたらふく食べるのですわ!!」
ルーナ姫のエメラルドグリーンの瞳が輝いている。
「聞くところによると、海底都市マーレの海産物は新鮮で美味だとか。私一度行ってみたかったのです」
「ルーナ姫の気分でメインストーリーが変わってるんだ…」
「そういうことですわ♡」
まぁクリアできればなんでもいいか。
港町ポルトから潜水艦に乗って、海底都市マーレへと向かう。
海の中にある都市だが、普通に息も吸えるし歩ける。
さすがゲームの世界、都合のいいように作られている。
ルーナ姫ご所望の海鮮料理屋「竜宮城」に着いた。
「ここのポセイドンの素焼きが人気なんだとか」
どんな料理なのか想像もつかない。
店内に入ると、多くの客が海鮮料理を貪り食っていた。
「2名でお願いしますわ」
「すみませんねぇ。もう食材が無くなってしまって」
女将さんがペコペコ頭を下げている。
「なんですって!! 素焼き…刺身…酒蒸し…」
ルーナ姫が崩れ落ちる。
「残念だったな、他の店にするか」
「なりません…なりませんわ!! ここの料理をどれだけ夢見てきたことか!!」
お姫様ムーブをかましてくる。
「そんなこと言ったって食材が無いんだからしょうがないだろ」
その時ルーナ姫がひらめいた。
「食材が無いのなら、取りに行けばよろしくてよ!!」
「え? 誰が?」
「もちろん私とあなたですわ♡」
「女将様! 今から私たちが食材を取りに行ってまいりますわ!」
「いいんですか? 助かります」
女将さんがペコペコ頭を下げる。
まったく強引なお姫様だ。
もうこうなったらポセイドンでもネプチューンでもなんでも狩ってやる。