9話
楽「あー、あー。麓くん。今どこにいる?」
麓『…わからないです』
楽「近くに電柱とかない?電柱とかに住所書いて合ったりするんだけど」
麓『…見つかりません』
楽「えぇ…どこまで行ったんだ…山とか?」
麓『赤と白の大きな建物があります』
楽「あ…そう。その一番上にいてもらってもいい?」
麓『わかりました』
通信を切る。
楽は大爆笑していた。腹が捩れんばかりに。
楽「笑鬼でも召喚したのかな…あー、お腹いた」
初「早く向かいましょうよ」
『警察に電話です。自殺しようとする男性が1人。場所は…』
楽「初は麓迎えに行って。虚は僕と。全速力で行くよ」
楽が消えた。
虚「初気をつけろよ」
初「そっちこそ」
―
楽「まだ追いついてないか」
―
虚「全然追いつけねぇ…神楽」
虚は楽の隣にいた。
楽「印のついたところに瞬間移動…バケモンだね」
虚「消耗激しいですけどね」
2人は急降下し、ビルの屋上の陰に隠れる。
男性はビルの上から下を覗いていた。
そこで、ドアの前にまで移動し今来たかのように演技をする。
楽「はぁ…はぁ…」
「な、なんだ!」
楽「お、お、はぁ…はぁ…落ち着…はぁ…はぁ…落ちつい、ゲホゲホ」
「いや…君の方が落ち着いたらどうかな」
楽「それじゃ…二分…くらい…待って…」
楽は仰向けになり、呼吸を整える。
未だに陰に隠れている虚はよくわからなかった。
虚「何してるんだ?」
楽は本当に2分ほど、息を整えた。