5話
初「嘘!漆喰が避けられた!?」
直線的に伸びる黒。その上を滑り落ちる楽。
楽「うん、発動が早い。でももっと早くしないとね」
楽は初の肩をそっと触れる。
楽「祭」
初は膝から崩れ落ちた。
虚「初!」
楽「ダメだよ、よそ見しちゃ」
虚(今さっき地上に居たろうが!なんで目の前に)
楽「いるんだ。ってね、そりゃ八頭だからね」
虚「鐵…」
楽「思考より先に動かないとダメ。残念」
左肩に酷い衝撃が走る。
楽「あ、ごめん。ちょっとだけ骨やっちゃったかも」
楽の顔は合掌していたが少しだけ笑顔に見えた。
直後、全身に衝撃が走る。
地面に叩きつけられた。
―
楽「あとは麓だけだけど…その血大丈夫?結構出てるみたいだけど」
麓「二十秒」
楽「それじゃやろうか」
麓「血鬼槍術―捲り」
溢れた血は槍状になり、地を這い、楽へ向かう。
楽「神術に外術、それに鬼術。今年の羽は高くまで羽ばたけそうだ」
楽しげに襲いかかる槍を避ける。
楽「ちょっと流しすぎかなぁ」
麓「血鬼針術―千…」
そこで意識が途切れた。
―
楽「いやぁ…ちとやりすぎました」
「弁えろ」
楽「ま、今年は豊富ですね。3人とも足になれそうですわ」
「天虚・溟初・陸麓の3羽。入隊を命ず」
楽「これであいつらも羽合の衆、どこまで高く飛べるか」
「将又、地を掴むか」
楽「まずは特殊治安維持夜間部隊―夜多乃鴉―八頭の童子、3名の面倒を見ますか…」