3話
初「麓―!一緒にご飯食べようー」
麓「1人で食べる」
初「何あれ」
虚「一匹狼がカッコ良いと思っている系勘違い厨二病男子なんじゃねぇの」
初「ああー…虚が小さい時に手が疼くとか眼帯していた時みたいな?」
虚「ああ、そんな感じ」
初「痛いねぇ」
虚「男の子は一度通る道だ。優しい目で見守ってあげよう」
初「そういえば、その時あったティッシュ増えたのはなんだったの?」
虚「それは忘れろ」
―
虚「さて…これはどういうことだ」
初「第3演習場に十分以内に集合と…書いてあるんだよ」
虚「字は読める」
初「第3演習場って一番遠いところだよね…?」
虚「受からせる気無いだろ。普通だったら」
初「下道でも建物を避けていたら30分はかかっちゃうねぇ」
虚「だったら上を行くしか無いだろ」
屋上まで駆ける。
虚「パンピーに見られるなよ。怒られる。特に昼はな」
初「わかっているって。虚じゃあるまいし」
虚「遅れるな」
柵を越え、空を翔ける。
初「天歩たのしー!」
虚「静かに走れ」
人々の上を飛ぶ。移動する黒い影はまるで鳥のようだった。
―
楽「うん、セーフだけど。アウト」
初「なんで!?」
楽「使ったでしょ。天歩。お昼30分で食べきって部屋に戻っていたら全然余裕だからね。麓は普通に走ってきたからね。10分前に」
初「先生、これってお仕事ですよね」
楽「うん、そうだけど」
初「お昼休憩は仕事時間に入らないので移動時間を加味したものであれば不当になりますが、良いです
か?」
楽「あ…うーん…」