19話
「一人が有給を取りおった。全く…ゴールデンウィークは家族孝行するんだとよ」
楽「あれ、GWって僕、強化合宿に入ってますよね?じゃあ行けないなぁ」
「強化合宿には鳥頭凱を担当してもらう。どうやら新入りは巧技もままならないみたいだからな」
楽「あー…僕が教える予定なんですけど。しかも頭二人いなくなってもいいんですか?」
「ああ、行くのは代表として私一人だからな。残りの足は二人日本に残る。そして四指と一緒に日本を守る」
楽「あー…じゃあ大丈夫かもしれないっすねー…」
「ということだ」
楽「一人休むだけで腰を上げてくれる先輩たちは優しいですねぇ」
「今回、米国の機王、露国の霊王、中国の写王、英国の霧王、豪国の動王、蘭国の華王、独国の医王、羅国の血王、埃国の砂王そして日国の夜王が揃う」
楽「あらら…それは逃げたくなりますわ」
「戦争が起きない理由は抑止力としてこの十王がいるから。わかっているな?」
楽「ああ、そうみたいだね」
「3年後戦が起こる」
楽「マジ?見えちゃったの?」
「ああ、不確定だがな」
楽「謀反者は」
「それはわからん」
楽「本当曖昧だねー。それを止めるために僕が行かないと行けないってこと?」
「そういうことだ」
楽「僕ができることなんて何もないと思うんですけどねぇ」
「お前以上にふざけた能力があるか」
楽「探せばあるんじゃないっすかね」
「少なくともここ2000年のうちここまで馬鹿げた能力を持ち合わせている奴は見たことがない」
楽「おっさんマジで2000年生きてるのか…そっちの方が馬鹿げているだろ」
「GWの期間中全て予定を空けておけ。場所は瑞国空中都市ユートピアで行われる」
楽「確定かぁ…しょうがない…」
「与太話を切り上げて、休め」
楽「はいはい…それじゃ」
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凱「あの新入りの強化合宿に?俺が?」
「頼んだぞ、戦になった時一人でも中衆、上衆が居るだけで変わるからな」
凱「…考えておきます」