夜多乃鴉

夜廻編

18話

楽「巧技は天歩、鐵装、孔明、解結、斂努は覚えた？」

虚「名前だけ。中身までは」

楽「ま、移動、硬化、感覚、能力、回復ってところ。虚と初は天歩と鐵装だけはできるんだよね」

虚「うん」

楽「うん…て…。まあいいや。天歩は月渡、鐵装は剛陣、孔明は天感、解結は点渺、斂努は爽園っていう聖技に昇華される。それで月渡は即神、剛陣は堅神、天感は覚神、点渺は怪神、爽園は活神と言われている」

虚「カッケェ…」

楽「月渡は中距離の移動、即神はさらに距離が伸びる。剛陣は鐵装の大体5倍くらいの硬さ、堅神はその倍くらい。天感はそれから五感全てが研ぎ澄まされて覚神。天感で警察犬の嗅覚レベル。孔明だと少し鼻がきくくらいだろうね。点渺は…解結を覚えてからかな。所謂ツボを使った身体能力上昇だよ。斂努は特殊な呼吸法で細胞を活性化させる。活神までになると呼吸だけで止血とかできるようになるみたいね」

虚「はぇ…凄いんすね。先生って」

楽「頭張っているからね、一応」

虚「それじゃ、ありがとうございましたー」

楽「気をつけて帰るんだよー」

―

初「帰ろ」

虚「待ってたんだ」

初「色々聞いてたから」インカムを指差す。

虚「セコ」

初「途中で消えたからさ」

虚「寝よ…眠くなってきた」

初「せめて、お家帰ってからね」

虚「寮でもあればいいのに…」

初「それなー」

私服に着替え、帰路に着く。

―

「新入りはどうだった」

楽「…巧技が使えないって話は聞いてなかったですけど、でもまぁいいんじゃないですかね。結構気に入ってますよ」

「そうか」

「童子楽よ、１ヶ月後に世界連合治安維持会議の護衛でついて来い」

楽「あれ？四指だけじゃ足らないんですか？」