17話
札がついた鬼は小さくなっていく。まるで札に吸収されていくように。
楽「ほら、札に名前“赤鬼”って書いてあるでしょ。それを本部に連絡する。でもまぁ、“赤鬼”はよく出るから大丈夫だと思うけど」
時計を弄り、連絡を入れる。
楽「鳥頭凱が倒した鬼は“赤鬼”だった。処理は?」
楽がみんなにインカムを叩くようにジェスチャーする。
3人はインカムを叩く。
『赤鬼は研究済みです。燃やしてもらって構いません』
楽「ってこと。麓、赤鬼いらないよね?」
麓「いらないです」
楽「じゃ」
また懐からライターを出して札を燃やす。
楽「これで処分完了」
虚「でもこれならさっきの鳥頭さんでも使えるんじゃないの?」
楽「それがね、この札は視認して初めて使えるの。見えない鳥頭には使えないの」
初「へぇ…それじゃ周りに人がいなかったら処理できないってこと?」
楽「そう言うこと、基本夜廻は人が来るから関係ないけど、基本的に相棒がいるからね」
虚「今日はいないんだ」
楽「基本的に夜廻は人がいるからあんまり出てこないね。余程の人手不足とか外に出る時とかは一緒に出か
けるみたいだからね」
虚「その人は強いんですか?」
楽「一応上衆だから君たちよりは強いんじゃない?」
虚「へぇ…」
楽「もうすぐ5時か…意外と早かったかな」
初「終わりですか?」
楽「うん初日終わり。人が増えてくるから帰る時は上なら黒、下なら青で帰ってね」
『お疲れ様でしたー』
楽「また明日ねー。帰り気をつけて〜」
―
楽「あれ?虚は帰らないの?」
虚「ちょっと聞きたいことがあって」
楽「あれ?意外と勉強熱心なんだね」
虚「巧技と聖技、神技について」
楽「明日教える予定だけど」
虚「時間があったらでいいんで、軽く教えてください」
楽「それじゃ帰りながら教えようか」