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一作目「モンパルナスの灯」
僕の通う大学の近くに、ミニシアターがある。ミニシアターっていうのはまあ、多くの人が行くような映画館では上映されない、人を選ぶような作品や芸術性の高い作品を上映する映画館のことだ。大体の人には縁もゆかりもない場所だ。だがしかし、僕のような人間――例えば映画研究会に属するような人間にとっては大変ありがたい場所でもある。こういう場所では、僕が生まれる前に上映されそして円盤化されていないような作品がリバイバル上映されることがままあるからだ。
映画を観ることが好きで映画研究会に入部した僕は、月曜の五限が終わった後にその足でミニシアターに向かうことを習慣としているんだ。
