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4話 バケモノとの遭遇

「ここに来るのも久しいな」


 ここはどうやら宿の一室の様だ。出た扉を見てみると扉には番号が割り振られている。他の扉にも番号が割り振られているのでホテル......いや宿だろう。

 高級とかそんな感じはしない簡素な廊下だが、点々と観葉植物の植木と光るランタンの様な物が壁に吊るしてある。


「これなんだ?」


 俺はそのランタンのような物に目が入った。中は火が灯してあるとか電球の様に電気で光っているわけでもない。謎の石の様な物が中央に設置され、その石から光源が漏れ出している。


「それは魔道具という物だな。ユズキは知らないのか?」


 知らないも何も地球には魔力すら無かったんだから魔道具なんて言われてもわからん。精々アニメとかそこら辺の知識程度だろう。それもあっているかどうか知らないけど。


「簡単に説明すると魔道具は魔石を軸とした物。魔力回路によって変わってくるがこういう魔石設置型と魔力注入型の2つがある。」


 ほーん。つまり魔石=電池って事だよな。多分。魔石設置型は電池を嵌め込んで使うやつで、魔力注入型はコンセントで使うやつって感じか?



「だがユズキは使うことだけ考えておけばいいと思うぞ?天恵が魔道技師って訳でもないだろうし」


 また新しい言葉が出てきたよ!!


「天恵ってなんだ?」


「あぁ、そこからか。いや異世界から来たんだし知らないのも当たり前だな。天恵は15歳になった人全てに与えられる物だ。魔道技師なら魔道具を作る事が得意になる。」


「じゃあ魔道技師を与えられたら魔道具作りが自分の仕事になるのか?」


「いや。そういう訳でもない。剣士の天恵を貰った少女が服屋の店員になったり、裁縫士の天恵を貰った青年が冒険者になった事もある。天恵はただ得意になるだけ。だから結果はそいつ次第って感じだな」


 なるほどなぁ。あとやっぱり冒険者っているんだな。やっぱり異世界と言ったら冒険者って感じがするから冒険者登録はしておきたい!

 男の夢って感じなんだよな。


「女将!」


 階段を降りて1階に行くと酒場になっている。そこでミルさんが厨房に向かって女将を呼ぶ。


「ヴァルキュリー様いらっしゃいませ」


「ユズキ紹介する。この宿の女将をやっているリーゼだ。私の正体を知っている1人だ」


「リーゼで御座います。よろしくお願いします」


「よろしくお願いします」


 リーゼさんは30歳くらいの女性だ。お淑やかな雰囲気が醸し出している。髪色は深い青色をしており角度によっては黒く見える。


「リーゼ。ユズキは私の夫になる予定......と言うかもう既に夫だ」


「それは!ヴァルキュリー様おめでとうございます!遂にヴァルキュリー様にも春がやって来たのですね!」


「では出掛けてくる」


「はい。いってらっしゃいませ」


 宿の入り口でお辞儀をしてミルさんと俺を送り出すリーゼさん。ちなみに俺はこの間もパジャマだ。

 実際に外に出てみると喧騒がすごい。宿の目の前が大通りになっておりそこにいろんな種類の店が立ち並び屋台も出ている。屋台で売られている物は肉の串焼きでさっき薄らと漂ってきていたのはこの串焼きの匂いだったのだろう。


「まずは私がいつも行っている服屋に向かうか。ちなみに店主は私の正体は知らないからな」


「わかった......っていうかやっぱり見られるなぁ」


「しょうがないだろ。パジャマなんだから」


 これなら女性物着てこれば良かったか?でも流石になぁ。それはそれでキツいものがあ..........


「なぁ。女物って言ってたけどズボンとかふつーにあるんじゃないか?」


 今気づいたけど女物でもなんだかんだ俺でも着れるものってあると思うんだ。


「だがサイズ......確かにいけたな」


 俺自身そこまで身長が高い訳でも太っている訳でもない。165センチの細身なら全然着れるだろう。

 そんな事をミルさんと話しながら踏み固められた大通りを歩いていく。やはりと言うか文明レベルは低い様に感じる。

 乗り物も馬車で、着ている服も麻?みたいなMMOゲームの初期服みたいな感じ。道路もしっかりと整備されてないのか土を踏み固めた物だ。コンクリとかでは決してない。



「着いたぞ」


 宿から2、3分歩いた所である店の前で立ち止まるミルさん。店名はエンジェル・スマイル。文字は全く見た事ない文字だが何となくその字を見ていると頭に浮かんできた。


 チャリンチャリン


「いらっしゃい♡」


 扉を開けた瞬間に居たのはバケモノだった。











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